太宰治の『喝采』を読んだ。


 

 

筋らしい筋は特になく、

太宰が大学を卒業しようと足掻いていた時期を背景にした、

点描的な作品と言うべきだろう。

中村地平、井伏鱒二、檀一雄、山岸外史といった、

当時太宰の周りにいて彼を支えていた人々の名前が出てくる。

彼らがいたからこそ、

後の『斜陽』や『人間失格』が生まれたのだろう。