フリオ・コルタサルの短編『いまいましいドア』読了。

 

 

アルゼンチンからウルグアイのモンテビデオにやってきたペトローネ。

船で一緒になった男から紹介されたホテル・セルバンテスに投宿するが、

安普請なのか隣室との間に謎のドアがあり、洋服ダンスで塞がれていた。

夜になり、ペトローネが床に就くと、ドアの向こうから赤ん坊の泣き声がする。

気になって寝られなかったが、とりあえず翌朝まで待ってフロントへ行き、

支配人にその旨を訴えるが、支配人は怪訝な顔をして、

隣室には女性一人しか宿泊していないと答える。

 

まさにコルタサル的な世界である。

寓話的にも読もうと思えば読めるが、

この作品はそういう余計な解釈などせずともそのまま楽しめるだろう。