高良勉著『ウチナーグチ(沖縄語)練習帖』読了。

 

 

 

「ハイサイ/ハイタイ!(やあ、はーい!)」から「マタヤーサイ/ヤータイ(またねー」)まで、30の基本表現を中心に、ウチナーグチの基礎を練習。さらに、琉歌、おもろ、島唄、沖縄芝居や琉球舞踊の詞など、琉球弧にゆたかに花開いたことばの名作を選りすぐって鑑賞し、島々の歴史と心の深みに、沖縄の詩人がご案内します。この一冊をポケットに、チュラサル(美しい)島々に旅をしましょう。

 

沖縄へ行ってきた。

美しい海、美しい緑は、まだ残っているように見えた。

ちゅらさる人や優しい人、やな人ももちろんいた。

ウチナーグチは滅多に聴かなかったが、

牧志公設市場へ向かうアーケードの店先で

顔を突き合わせて話すオジー、オバーたちの背中には、

「うちなー(沖縄)」が滲み出ていた。

 

言葉は、水のようなものだ。

当たり前にそこにあるように見えて、

旱天が続けば干上がってしまう。

「ウチナーグチ」は日本語の親戚ではあるが、

日本語の単なる一方言ではない。

寧ろそれはいとこのようなものだ。

この希少な水が、今、失われつつある。

 

それはちょうど、沖縄の美しい水が、

乱開発や基地の乱造、米軍による銃火器や化学物質の不法投棄によって

汚されているのにも重なる。

沖縄の美しい水=ことばが、失われようとしている。