A.ゴーマン『わたしたちの登る丘』読了。

 

 

昨年一月、米バイデン大統領の就任式に当たって、

詩人本人により朗誦された詩の文庫化。

 

アマンダの詩はもちろん素晴らしいが、

文庫化に当たって収録された、

訳者・鴻巣さんと小説家・柴崎友香さんとの対談や

鴻巣さんによる解説も興味深い。

 

前者では小説と詩の違い、言葉の可能性/不可能性、などについて語られ、

後者ではこの詩とその翻訳にまつわる後日談、

この詩が現代世界に何を投げかけている/たのかが考察されている。

僕は読んでいて、森鴎外の『翻譯に就いて』を想い起した。

 

E.マスクがTwitterを買収して「改革」を行い、

D.トランプが2024年の大統領選挙への出馬を表明した現在、

この詩の「同時代性」は弥増しているのではないか。