寺山修司の戯曲『アダムとイヴ、私の犯罪学』を読んだ。
戯曲でも、短歌でも、彼がエンターテイナーたらんとし、
現に一流のエンターテイナーだったことは疑いようがない。
彼が理想としたのはまさしく見世物=エンターテインメントであり、
生真面目な面をして作品を鑑賞されることを彼は一番嫌っただろう。
この作品も例外ではない。
そこここに鏤められた機智や風刺、ユーモアはまさしくエンターテインメントそのものだ。
大杉栄が求めた民衆芸術がここにはある。
諸君は民衆芸術を欲するのか。然らば、先ず民衆其者を持つ事から始めよ。
大杉栄『新しき世界の為めの新しき芸術』
大杉栄 新しき世界の為めの新しき芸術 (aozora.gr.jp)