G.シムノンの『13の秘密』を読んだ。

 

 

独立した13の章から成る短編推理小説。

ホテル住まいの謎の安楽椅子探偵ジョゼフ・ルボルニュが、

新聞などに載った13の事件を鮮やかに解決していく。

13番目の物語ではルボルニュの衝撃の正体も明らかになる。

 

学生時代、履修していたフランス語の担当教師が、

シムノンの書くフランス語はしっかりしていて読むに値するというようなことを言っていたが、

翻訳で呼んでいても彼の文章、物語の筋、語り口はしっかりしていて非常に読みやすい。

彼の有名なメグレものはどちらかと言うと心理描写を主体としたもので

本格推理という感じではないのだが、

1932年発表のこちらの短編は推理が主眼に置かれていて、

その方面の人でも楽しめるだろう。