生い始めた夏草たちが
梅雨の微風にゆれる
花曇りの空を通して 辺り一面に
普く微光が射す
誰かの不在を想う季節に
時間は凍りついたまま
ただ時計の針だけが機械的に進める
この空気の腐敗を
通りを逝く人々
その影に
死はまた近づいていく