聖遺物風が吹くと荒れ地の砂はまるで時を待っていたかのように踊りだす白濁した空水平線はほとんど空との境目をなくして踊る砂たちの書き割と化すただ温い空気だけが辺りには漂う空に吸い込まれる海海に呑み込まれる空砂はその中を自在に舞うまるで自らの他には存在するものなどなかったかのように砂は ああ どこへ行くのだろう?遮るものもなく道上には ただ痩せ細った犬の遺骸だけが遺る