イラン映画の巨匠A.キアロスタミ監督が亡くなったらしい。
享年76歳だったそうだ。
毎日新聞より
http://mainichi.jp/articles/20160705/dde/041/060/060000c
キアロスタミ監督といえば、
カンヌでパルムドールを受賞した『桜桃の味』や
『友達のうちはどこ?』などが個人的には非常に印象深い。
どちらも独特なユーモアとペーソスがありながらも
鋭い批評性に貫かれた作品で、
特に『桜桃の味』は
イスラーム社会のタブーである自殺の問題に焦点を当て、
監督自身のその後にも大きな影響を与えた作品と言えるだろう。
『桜桃の味』は死に場所を求めてさまよう男の話だ。
イスラーム社会では自殺は重大な罪とされ、
監督はこれを真っ正面から撮ったためにイランにいられなくなった。
しかし作品そのものは、テーマこそシリアスで重いが、
随所にユーモアがちりばめられていて、
小津安二郎から多くを学んだ映像美とともに、
今でも十分に面白い作品だと思う。
イランというイスラーム社会の一角にしっかりと根ざしながら、
冷静かつ温かい眼差しで民衆の暮らしを見つめようとした
キアロスタミ監督。
その意味で、
イスラーム社会は今最も必要な人を喪ったんじゃないだろうか。
キアロスタミ監督のご冥福をお祈りします。
享年76歳だったそうだ。
毎日新聞より
http://mainichi.jp/articles/20160705/dde/041/060/060000c
キアロスタミ監督といえば、
カンヌでパルムドールを受賞した『桜桃の味』や
『友達のうちはどこ?』などが個人的には非常に印象深い。
どちらも独特なユーモアとペーソスがありながらも
鋭い批評性に貫かれた作品で、
特に『桜桃の味』は
イスラーム社会のタブーである自殺の問題に焦点を当て、
監督自身のその後にも大きな影響を与えた作品と言えるだろう。
『桜桃の味』は死に場所を求めてさまよう男の話だ。
イスラーム社会では自殺は重大な罪とされ、
監督はこれを真っ正面から撮ったためにイランにいられなくなった。
しかし作品そのものは、テーマこそシリアスで重いが、
随所にユーモアがちりばめられていて、
小津安二郎から多くを学んだ映像美とともに、
今でも十分に面白い作品だと思う。
イランというイスラーム社会の一角にしっかりと根ざしながら、
冷静かつ温かい眼差しで民衆の暮らしを見つめようとした
キアロスタミ監督。
その意味で、
イスラーム社会は今最も必要な人を喪ったんじゃないだろうか。
キアロスタミ監督のご冥福をお祈りします。