電子書籍(とはいってもスマホだが)を
初めて読み通した。
倉橋由美子さんの読書案内本『偏愛文学館』である。

偏愛文学館 (講談社文庫)/講談社
¥500
Amazon.co.jp


実はこの本は書店で少し立ち読みしたことがあって、
ずっとちゃんと読みたいと思っていた本だった。
というのも、取り上げられてる本の1/3~半分くらいが、
僕の好きな本/作家だったからだ。
宮部みゆきさんの『火車』やフランツ・カフカ、
鴎外の『かのように』、三島由紀夫の『真夏の死』など、
どれも印象的な作品ばかりである。

2005年に亡くなった作家・倉橋由美子さんは、
1960年明大在学中に『パルタイ』で文壇に登場、注目され、
戦後日本文学のなかでも一種独特な存在感を放っていた
作家の一人だったと思う。
その確かな批評眼に支えられたこの読書案内は、
それだけで一つの文学論として読むことができる。
もちろん、普通に読書案内としても面白く、
倉橋さんの達意の文章によって紹介される
まだ読んだことのない物語に、
俄然興味がわいてくるように書かれていて、
これぞプロの文章だなということを実感する。

実現できるかどうかはわからないが、
いつかここに紹介された本・物語のすべてを
読破してみたい。