河瀨直美監督の最新作『2つ目の窓』を観た。
2つ目の窓
http://www.futatsume-no-mado.com/
河瀨監督の作品は衝撃的なデビュー作となった『萌の朱雀』以来、
割と観てるほうだと思う。
『萌の朱雀』を除けば『沙羅双樹』が割と印象に残った記憶がある。
もうずいぶん前に見たので、
詳しいストーリーとかは忘れてしまったが。。
それはさておき『2つ目の窓』である。
この作品で河瀨監督がやりたかったのは、たぶん、
河瀨版の『ダフニスとクロエ』じゃなかったかと思う。
周知のとおり『ダフニスとクロエ』は
三島由紀夫が『潮騒』の下敷きにした
古代ギリシアの恋愛物語だが、
琉球弧の北端にあたる奄美を舞台にして、そこに、
複雑な家庭環境の下に育ち、
一昨年には養母を失くした監督自身の、
めくるめく生死の環、喪失と再生、生命力とエロスといった、
諸テーマを盛り込んだんじゃないだろうか。
事実、終盤、主人公の男女二人が裸で海中を戯れ泳ぐシーンは
まさに『ダフニスとクロエ』だったし、
その苛酷さをも含めて作品中で描かれる奄美の自然は
物凄く美しかった。
ただ、前に『殯の森』を観た時にも思ったことだが、
ここのところの河瀨監督の作品にはやや演出過剰というか、
過剰に劇的にしようとしてしまうところがあるような気がして
ならない。
分かり易いのは主人公の母子の対立が表面化するシーンだが、
それ以外にも、主人公が父親と再会するシーンの会話とか、
不自然に感じられるシーンがままあったような気がする。
冒頭の、ヒロインの母親(ちなみにユタ)が入院中で
そう長くないと感じさせるところなどはよかった分、
残念な気がしたし、
もっと説明的なシーンを省いてもよかったんじゃないかと思う。
それはそうと、主人公の男の子を演じた村上虹郎君は、
なんとあのUAと村上淳さんのご子息だそうで、
顔がUAそっくりでびっくりした。
父親の村上淳さんとも親子役で共演していて、
そういうちょっとした遊び心?みたいなところは
これからも生かしていってほしいと思った。
2つ目の窓
http://www.futatsume-no-mado.com/
河瀨監督の作品は衝撃的なデビュー作となった『萌の朱雀』以来、
割と観てるほうだと思う。
『萌の朱雀』を除けば『沙羅双樹』が割と印象に残った記憶がある。
もうずいぶん前に見たので、
詳しいストーリーとかは忘れてしまったが。。
それはさておき『2つ目の窓』である。
この作品で河瀨監督がやりたかったのは、たぶん、
河瀨版の『ダフニスとクロエ』じゃなかったかと思う。
周知のとおり『ダフニスとクロエ』は
三島由紀夫が『潮騒』の下敷きにした
古代ギリシアの恋愛物語だが、
琉球弧の北端にあたる奄美を舞台にして、そこに、
複雑な家庭環境の下に育ち、
一昨年には養母を失くした監督自身の、
めくるめく生死の環、喪失と再生、生命力とエロスといった、
諸テーマを盛り込んだんじゃないだろうか。
事実、終盤、主人公の男女二人が裸で海中を戯れ泳ぐシーンは
まさに『ダフニスとクロエ』だったし、
その苛酷さをも含めて作品中で描かれる奄美の自然は
物凄く美しかった。
ただ、前に『殯の森』を観た時にも思ったことだが、
ここのところの河瀨監督の作品にはやや演出過剰というか、
過剰に劇的にしようとしてしまうところがあるような気がして
ならない。
分かり易いのは主人公の母子の対立が表面化するシーンだが、
それ以外にも、主人公が父親と再会するシーンの会話とか、
不自然に感じられるシーンがままあったような気がする。
冒頭の、ヒロインの母親(ちなみにユタ)が入院中で
そう長くないと感じさせるところなどはよかった分、
残念な気がしたし、
もっと説明的なシーンを省いてもよかったんじゃないかと思う。
それはそうと、主人公の男の子を演じた村上虹郎君は、
なんとあのUAと村上淳さんのご子息だそうで、
顔がUAそっくりでびっくりした。
父親の村上淳さんとも親子役で共演していて、
そういうちょっとした遊び心?みたいなところは
これからも生かしていってほしいと思った。