いつかは読んでみたいと思いながら、
そのあまりの大部さに腰が引けてしまっている小説がある。
その作者が、昨日未明、亡くなったそうだ。
大西巨人氏、享年97歳。
朝日新聞
http://digital.asahi.com/articles/ASG3D53Y9G3DUCLV00J.html?iref=comtop_list_obi_n03
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ETV特集「神聖喜劇ふたたび」
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2008/0810.html
先の戦争に召集され対馬要塞の守備にあたる中で
軍隊機構の非人間性を具にし、
戦後その経験から全8部に及ぶ長編『神聖喜劇』を書き、
同様に日本軍を主題にした野間宏氏の『真空地帯』へは、
それがあまりに軍隊を単純悪として描いていることから
「俗情との結託」と批判した、と評されている
(ちなみに僕は両書とも読んではいない)。
先日のまどさんに続いて、
戦後日本の文学の中心を担ってきた、
文字通りの巨人がまた一人、逝ってしまった。
心からご冥福をお祈りするとともに、
大西氏が生涯かけて追い続けたものを、
僕らもまた、
引き継いでいかなければならないと思う。