料理についてもそれは当てはまる。つねに何かを余計に付け加える進化的な料理に対して、素朴な材料に戻る退行的な料理に対して、拒食症者の料理かもしれない逆行的な料理がある。なぜある種の拒食症者にそのような優雅さがあるのか。生についても、最も動物的な生でさえ、それは当てはまる。動物が自らの形態と機能を発明するとしても、それはつねに進化することによってでも、発達することによってでもなく、早生の場合のように退行することによってでもなく、喪失することによって、放棄することによって、無化することによって、単純化することによってである。もっとも、そこから新しい要素とこの単純化の新しい関係が創造されることになるかもしれないのだが。






対話/河出書房新社



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