えんじゅです。

韓国の大統領が竹島に上陸した上、

天皇陛下に謝罪を求めたかと思ったら、

今度は尖閣諸島の魚釣島に香港の活動家らが上陸して逮捕、

強制送還されるということで大騒ぎになってますね。

それに伴って日中韓いずれの国でも国粋的な反応が溢れてますが、

僕はこのような国粋的な対応が公式に取られることは

お互いの国にとって最悪の手段であるように思います。


専門家ではないので立ち入った話はできませんが、

一般に領土問題の解決方法というのは

大きく分けて2つあるように思います。

ひとつは国際法にのっとった解決であり、

もうひとつは、戦争です。


国際法的な解決は、外交文書などを基に、

歴史学的法的に裁判によって解決していく手段ですが、

今回日本政府は竹島に関して

国際司法裁判所に提訴することを検討していますね。

僕もこれはよい手段だと思いますが、

国際司法裁は提訴は一国でできても

裁判は双方の合意がないと開始されないので、

この辺が厄介かなとは思います。

ただし、一国で提訴することによって、

もう一方の国は裁判を拒否する正当な理由が必要となってくるので、

この辺は有利になる可能性があるようです。


もう一方の戦争は読んで字のごとくで、

日本は基本的には憲法によってこれを禁止されています。


「第九条第一項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


確かに歴史上国際法上、竹島も尖閣も、

日本領土である可能性が非常に高いと個人的には思いますが、

これを武力(警察力ではない)で取り戻したり守護したりすることは

禁止されているのだと思います。


ここで問題になるのは近代国家の要件としての自衛権の問題ですが、

僕はこれは認められると考えています。

ただし、「自衛」という言葉には危険な側面があり、

ほとんどすべての戦争は「自衛」の名の下に行われてきたという、

歴史的な事実があることを考えると、より厳密に、

「現行の、国際法上認められた領土を守る限りでの自衛

(限定的自衛?)」

というような、具体的な定義を明記することが必要かとも思います。


今回のケースでは日中韓いずれの国もが、

相互の間に「領土問題」は存在しないと公式には言ってますが、

いずれの国も特定の陸地を自国の領土だと主張してるわけですから、

客観的に見ればこれは「領土問題」以外の何ものでもないでしょう。

こうした問題は修辞的(言い方)な欺瞞にとらわれることなく

客観的な解決を図っていかなければいけないと思いますし、

その意味で、日中韓のそれぞれが、

お互い相手の政府(政界)や社会を緻密に分析しながら

具体的な折衝を続けていくことでしか、

解決することはできないのではないでしょうか。