午後の陽射しが

投げかけられたダイニングに

解けない疑問を

床一面に溶かしていく


写真立てに飾られた

動かないままの

あなたの笑顔

その顔に

テエブルの花が

静かに映し出されている


かたちの有るものが

どうして消えていくのか

かたちの無いものが

どうして産まれてくるのか


あなたは今

たしかに今ここにはいない

温かいあなたの吐く息も

そのとき立ち昇る白い烟(けむり)も

わたしには感じることができない


あなたはたしかに

いままで此処(ここ)にいたのに……


花は今

たしかに今

あなたの顔の中で揺れている。