改めて、えんじゅです。

今年を締めくくる意味で、

以前(夏過ぎくらい)書いた詩を

あげたいと思います。

タイトルは『葦牙(あしかび)』です。


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       葦牙


夏の日盛りの日に

平和は燃える。

白燐(はくりん)のように燃え尽きた君。

立ちのぼる烟(けむり)は

きっとわずかに

言い残された君の言葉。

燻(いぶ)された亡骸(なきがら)は

その烟を吸い尽くし

蜻蛉(せいれい)となって飛んでゆく。

いずれ来る秋の陽射しに

その羽音は谺(こだま)するだろうか……


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葦牙というのは葦の若芽、

蜻蛉というのはトンボのことです。


今年は年の初めに

政治思想史家・橋川文三の『昭和維新試論』を読み、

また三島由紀夫の没後40年、

あるいは戦後65年ということもあって、

そういった、ちょっと歴史的なことを踏まえて

書いてみたものです。

昭和維新試論 (ちくま学芸文庫)/橋川 文三
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日本には昔から死者の霊がトンボになって

戻ってくるという、

ひとつの伝承がありますが、

トンボの羽音を死者の声に見立てて

彼らの声、願いが今の時代にも届いてほしい、

そういう気持ち、願いでもって書きました。


橋川が『昭和維新試論』で書いた朝日平吾にしろ

三島にしろ、

政治スタンスや行動はどうあれ、

彼らの願ったものは「平和」だったと思いますし、

早くそれが実現してほしいと思います。


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今年は縁あって、

友人の通ってる美術カフェ『PICNICA』で

詩の個展という珍しい企画を

やらせていただけたり、

ブログを開いたりと、

自作の詩を広く多くの方に読んでもらうことができ、

個人的にも飛躍できた年でした(‐^▽^‐)


美術カフェ『PICNICA』

http://www.picnica.net/#exhibition


特にPICNICAの個展での朗読は

自分としても初めての経験で、緊張もしましたが

新鮮な感覚が心地よく、機会があれば

またやってみたいとも思います(^O^)


ともあれ今年一年お世話になった方、

また僕の詩・ブログを読んでくれた方、

今年一年本当にお世話になりましたm(__)m

どうかよいお年を!