きのうの朝のことです。

 

いいお天気で、玄関先から駐車場のほうにかけて掃き掃除をしていました。

近くの小学校の生徒たちがどんどんと、楽しそうに登校しています。

うちの近所の学校はすごく自由なようで、ランドセルの子もいれば普通のリュックの子もいるし。

色とりどりです。

 

外国人の子供も多いんだけど、彼らと日本の子とがほんとに仲よさそうに

歩いているのは、見ていても平和でほっこりします。

髪を染めてる子もいるけど、別に不良って感じではないのね。

 

集団が行ってしまった後で、ひとりでゆっくり歩いてくる小柄な男の子がいました。

その子が本を持ってるんですが、パッと見ただけで見覚えのある表紙なのに気づきました。

 

「え??」って二度見。

 

 

これです。

 

「おばあちゃんと宝の地図」

 

珍しく小林聖二くんがメインの物語。

 

頭も顔も良くって、性格もいいパーフェクト少年だけど、本当に気さくで

嫌味がない子です。

 

この子のおばあちゃんが体を悪くするんだけど……

子供の頃よく聞いた歌をどうしても思い出したいっていう。

その歌を探すという……なんだか雲を掴むようなお話しですが、

ある夏の日、照りつける太陽のもと、潮風吹く海辺の町で

夢羽たちは推理し、歩き回り、歌を探す……というストーリーです。

 

IQ探偵も今年で15周年で、たくさんの本を出させていただいてますが、中でも好きな本のひとつです。

 

……その本を持ってる少年。

たぶん小3くらい。

そのまま歩いていったんだったら、何も言わなかったと思いますが、

家の前で立ち止まって、ランドセルを担ぎ直したりしてるもんですから……思わず声をかけちゃいました。

 

「その本、私が書いた本なんですよ」って。

 

最初、「え?」って、キョトンってして、何を言われたか理解できてなかったみたいですが、

理解した途端、びっくりしすぎたんでしょうね。

なんとなんと!その子、その場で尻餅ついちゃったんですよ(^_^)

 

「あ、ごめんなさい!!大丈夫!?」

って、引っ張り上げようとしたんだけど、ぴょんって飛び上がるように立ち上がったその子。

あわあわしながら、唐突に……

 

「こ、これ、学校にあったの最初読んで……全部読んだんだけど、他にもあるのわかったから

お母さんに買ってもらったんだ。これもそうで、特にこれ好きだから何回も読んでる。

ひまな時に読むんだ」

……みたいな話をまぁまぁ、すごい勢いで話し始めました。

 

私もその本は好きな本よって言ったら、

ネタバレになるのでくわしくは書きませんが、内容についてあそこが好きなんだとか、

ここが面白いよというような話をいっぱいしてくれるんですよね。

作者私なのに(^_^)

 

でも、そろそろ学校行かないと遅刻しちゃうんじゃないかと思ったので、そう言うと、

ハッとした顔で、わたしを大きな目で見た後、物も言わず、走って行ってしまいました。

 

遅刻しないといいなぁ……!

 

……というわけで。

このことをTwitterに書いたら、J太さんがこんな素敵なイラストを描いてくださいました。

 

二重にうれしいですねー!