パ「あれ?トラップ、どこ行くの?」
ト「ちょっくら川のようす見てこようと思ってさ」
パ「えぇー!?危ないからやめなさいよ!」
ト「平気平気!!おもしろそうじゃんか!」
キ「そうですね。わたしも興味あります」
パ「ちょ、ちょっと、キットンまで!」





パ「クレイ、聞いてよー、トラップとキットンがさー」
ク「パステル、それより準備しなきゃ」
パ「なんの?」
ク「避難勧告とか指示出てからじゃ遅いんだから」
パ「わ、わかった!何持っていけばいいの?」
ノ「パステル、俺が全部用意しといたから後は各自の着替えくらいだ」
パ「ノル!ありがとー!」

パ「緊急用の食料って何もっていけばいいかなぁ」
ク「まぁ、クッキーとか乾パン、干し肉……いつものでいいんじゃないか?後は水」
パ「そうよね。OK!!」
ク「お、おいおい!それ、今食べちゃだめだって」
ル「くりぇー、なんら??こえ、おいしーおぉ!!ねー、しおちゃん」
シ「おいしいデシー!」






ト「うわぁあぁぁぁー!!!」
ものすごい雨と風。飛び込んできたのはずぶ濡れになったトラップとキットンだ!
パ「ちょ、ちょっと。ほんとに見にいったの?」
ト「いんや。ドミンゴのおっちゃんに怒られた」
パ「当たり前でしょ!!」
ト「ちぇ、濡れ損だー!」
パ「お願いだから家中水浸しにしないでー!」







パ「もう!嵐よりトラップたちのほうがずっと被害甚大よ」
ト「へっくしょ!!」
ク「ほら、おまえら、風邪ひくぞ」
雨合羽を着こんだクレイがタオルを二人に投げ、入れ替わりに出かけようとした。
パ「え?クレイ、どこいくの?」
ク「何か手伝えることあったらと思ってさ」
ト「くれいちゅわん、えらい!」

 





リ「わぁお!パステル、手伝いに来てくれたの?」
パ「リタ、なんでも言って!」
リ「炊き出ししてるから、おにぎり作ってくれる?」
パ「OK!クレイとノルは土嚢を積みに行くって言ってた」
リ「助かるー!」

 


と、そのとき、ドーっと大きな音をたて、ドワーフのおじさんたちがやってきた。
ド1「た、たいへんだ!」
ド2「モンスターが出たんだ!」




パ「ええー?こんな嵐の日にー?」
キ「どんな奴です?」とキットン。
ド1「水みてぇな奴だ」
キ「水みたい??」
ト「行ってみなきゃわかんねーだろ」
 誰よりも早くトラップが駆けだしていった。
キ「ちょっと待ってくださーい!」
私とキットンは後を追いかけた。


クレイたちが土嚢を積み上げているところ。
川があふれ、水浸しになっているところに、まさに水のようなモンスターが現れていた。
キ「こ、これは……ウォウォーラですね。ふだんはこんな人の多いところには出ません」
ク「きっと嵐であふれた水に乗ってきたんだな」
ト「別に悪さするわけでもないし、連れて帰ってやろうぜ」
ク「そうだな!」




とはいえ、嵐がおさまらないことにはどうしようもない。
ウォウォーラたちはシルバーリーブ近くの池で待機してもらうことに。
ク「おい、奴らのおかげで洪水が止まったぜ!」
パ「あ、ほんとだー!!」
そう、ウォウォーラたちがちょうど水をせき止めてくれたのだ。
パ「よかったぁ!」
ク「うわわ!!ちょ、やめてくれよぉ」
ウォウォーラたちはクレイのことがすっかり気に入ったようだ。
なついて離れない。
ト「さっすがマダムキラー!」
キ「水も滴るいい男ってことですね」
ト「さて、俺たちはおにぎりと豚汁でも食いに行こうぜー!」
ク「お、おーい!!」
パ「クレイ、おにぎりと豚汁持ってきたげるね」
ク「いや、そういうことじゃなくて・・」






大型台風19号(2019年10月12日)が関東に上陸。
暴風雨の中、ちょっとでも気持ちがほっこりしていただければとお粗末なミニミニストーリーを書きました。

 

 

Twitterで募集して、寄せられた読者さんたちのイラストと合わせて楽しんでいただければ幸いです。

イラストを描いてくださった皆さん、ありがとうございました。

 

最後に被害にあわれた方々に、心からお見舞い申し上げます。