先日のゴールデンウィーク中、Twitterのアンケート機能を使って皆さんと即興ショートストーリーを作りました。

参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

また、今回はたくさんの方に挿絵も描いていただきました。本当にありがとうございました!

 

「ミケドリアはどこに?」

 

今日は朝から家の仕事で大忙し。
 他のみんなもそれぞれの仕事で忙しいみたい。
 ようやく一段落し、みんなで猪鹿亭へ。
 ランチを食べることにした。
 何を食べよう?



「ミケドリア定食!」わたしが言うと、
「俺も頼むつもりだった。マネすんな!」とトラップ。
「好きなもの頼めばいいだろ?」とうんざり顔のクレイ。
でも、ミケドリアが後1人分しかないんだって。
「えぇー!?」
「おまえ、我慢しろ」
「みんなで食べればいいだろ」
「やだね」


 なんて、言い合いをしていると、猪鹿亭の主人が言った。
「ちょうどいい。あんたたち、捕まえてきてくれれば飯代はただにしよう」

 ちょっとお腹は空いていたけど、みんなでズールの森へ行くことになった。
 ミケドリアがよくいるというポイントに向かう途中、スライムたちが大量に出現!

「シロちゃん!食べられる?」と聞いたが、シロちゃん、とてもすまなさそうに首を振った。
「ごめんなさいデシ。ぼく、このスライムしゃん、苦手なんデシ」
「好き嫌いかーい!!」と、トラップ。
「これはポイズンスライムだからダメなんです。我々も逃げましょう」とキットン。
 さぁ、どこに逃げる?



「おい、こっちだ!」先に逃げていたトラップが手招きした。
 右の道へ走っていくと、どこからか水の音。
「やや、あれはフライングウォーターです。珍しい!」キットンが大興奮。
 まるで生き物のように水が飛び交う現象だ。
 ルーミィやシロちゃんがキャッキャ言って遊んでる。
 と、そこに現れたのは…。



 見覚えのある短髪、長身の人。それは、あのジュン・ケイだった。
「やぁ、パステル、こっちは行き止まりだよ」
「え?でも、あっちはスライムがいっぱいいるんですー」
 でも、ジュン・ケイはスライムたちをたちまち一掃した。
 すごい!

 

 

 


 すると、目の前にドドドーっと何かが通り過ぎていった。

「うわ、わわわ!ヒ、ヒポちゃん!?」
 フラインドウォーターが飛び交うところめざし、なぜかヒポちゃんが大暴走。
「あぶない!そっちは崖だ」
 ジュン・ケイが叫ぶ。



 すると、トラップは目にも止まらぬ身のこなしで、ジャンプ。
 ヒポちゃんに飛び乗った。
「止まれ! ヒポ! 止まれって!!」
 必死の声。
 でも、暴走ヒポちゃんは止まれないー!!
「まずい!」ジュン・ケイが、クレイが、ノルが走る。
 このままだとトラップを乗せたままヒポちゃん、崖を真っ逆さまだ

「ルーミィ、フライの呪文だ」クレイに言われたルーミィ、
「ヨイタ……えっと、……キイデン……トゲロ? で、えっと……」
 しどろもどろもいいとこ。
 

 

 呪文を言い終わった時にはすでに遅く。
 トラップを乗せたヒポちゃん、崖から真っ逆さま!!
「きゃぁぁぁ!!」
「ヒポちゃーーん!!」

「シロちゃん、お願い!!」
「わ、わかったデシー!!」
 でも、こんな狭いところでシロちゃん巨大化はできず、そのまま飛んでいってしまった。
 しばらくして、シロちゃんが戻ってきた。
「ごめんなさいデシ。ぼく、お役にたてなかったデシ」

「急ぐぞ!」クレイが率先して駆け下りていく。
 みんなで助け合って降りてみると、……ヒポちゃんがひっくり返っていた。
「おせぇよ」
 トラップはブーブー言いながらやってきた。
「ヒポちゃん大丈夫なの?」
「うん、見てみ」
 ヒポちゃんの下敷きになっていたのは……

 なんとなんと、丸々太ったミケドリアだったのである。
 これがクッションになったらしい。
「やったー!!!」

 


 みんなでミケドリアを運び、ヒポちゃんを連れてシルバーリーブに向かった。
「ジュン・ケイ、今夜は宴会ですよ!」
「おお! それは楽しみだ」

 


 すると、ノルと一緒に歩いていたルーミィがくるっと振り返った。
「ぱぁーるぅ、ルーミィ、おなかぺっこぺこだおう!」
「うん、私もね。おなかぺっこぺこだわ」
 わたしが答えると、シロちゃんもうなずいた。
「ルーミィしゃん、ぼくもデシ! ぺっこぺこデシ!!



          おしまい。