鮒友の伝統 鮒友万力
鮒友で先代から作り続けている鮒友万力
自分が鮒友に入って一番最初に教わった仕事は玉網の網付け。
そして2番目に教わった仕事が鮒友万力作り。手先の器用さには最初から自信がありましたが…
頭の中で描いた物を立体に削り出すという作業・木目を活かした削り出し・その工程に合わせた鑢と刃物の使い方。
最初に教わる工程は、一枚の欅の板を表面から見て、強度と美しさを考えどの木目を使用するか??
型紙を敷き実際に切ってみて親方(父。山田鮒友)のチェック。差込部などの木目を見てダメ出し。
とりあえずOKをもらったモノだけをドリルで波部に穴を空け 鉛筆で中心になる線を引き次の工程の準備。
親方が留守の間に粗削りの工程 親方が作った見本を見ながらの粗削り。
1日3個。2日で6個。。
親方が帰ってくる。「どれ見せてみろ。」手にして黙って見てる。まとめて全部ゴミ箱に捨てられ
「お前は何を考えて削ってるの??目が見えないのか??!!」と怒鳴られる。
寝ずに1から工程のやり直し。。
お客様に販売出来る作品(最終チェックで親方がやり直した作品)を作れるようになるまで半年。
ほとんどチェックで何もされず「もう少しここを綺麗に仕上げろ。」などのアドバイスだけをもらうようになるまで1年。
3年後にはなんにも言わなくなり。10年後には「俺よりあいつの方が上手いよ。遊び心とセンスがある。」と言ってくれました(もちろん自分の居ないとこで。。)
あの時から23年 今回 普段は触らない種類の銘木をたまたま手に入れたので作品にしてみました。
親方(父・山田鮒友)に見せられなかったのが残念。
インスタとフェイスブックに載せ店頭には展示をしましたが
22万円で即完売。お客様に高い評価していただけるのはうれしい限り。
厳しく技を教えてくれた親方に感謝。