平成中村座の

昼の部を見てきました目




「双蝶々曲輪日記」と、

「極付幡随長兵衛」。


初日に行って以来なので、

ようやく10月の演目が

すべて見れました泣き笑い






夜の部の「唐茄子屋」が

話題ではありますが、

個人的には

極付幡随長兵衛がよかったなぁ。。


中村獅童さんの初役で

4歳の息子・陽喜くんと

親子役で共演しています。


極付幡随長兵衛は、

江戸時代の浅草・花川戸に

実在した町奴を主人公にしたお話で、

この人は

旗本の水野十郎左衛門に

殺されてしまいます。


立場的には長兵衛は町奴の頭領。

対する水野は

織田信長や徳川家康の血を引く

名門旗本の生まれ。

父親は3000石を持つ旗本で、

戦国の世ではなくなった江戸時代でも

水野は権力を持っていて

江戸の市中を練り歩く殿様です。


いろいろあって

水野からイチャモンを

つけられた長兵衛は

↑端折りすぎ(笑)、

最終的に水野に殺されてしまいます。


水野の豪邸で開かれる宴に

招かれた長兵衛は、

そこで自分が殺されると

わかっているのに、

出向くんですよね。


いつの時代も

金持ちが強いんだなぁ。。


長兵衛の妻(七之助さま)も

部下たちも、

そしてまだ幼い倅(陽喜くん)も、

「行かないでほしい」と

なんとか思い留めようと

説得するけれど、

長兵衛は死ぬとわかってて

水野のもとに向かいます。



七之助さまの女房役もよかった。。

行ってほしくないけど、

自分の気持ちを貫く夫の性格を

よーーくわかっているから、

結局送り出す。






幼い倅に

「早く帰ってきてね」と言われて、

もう会えないとわかって

抱きしめる長兵衛。


ここを本物の親子(獅童さんと陽喜くん)が

やってるから、ぐっときますね。


私、自分が子どもを産んでから

歌舞伎も見方が変わって、

親子者は泣いてしまうように。。


あと、私だったら妻として

「逃げるが勝ちだから!!

子どものためにも私のためにも

絶対行くなーーー!!!」

と引き留めるけど、

時代が違うしなぁ。。とか

いろいろ考えてしまう。


陽喜くんが

ゆっくりゆっくり台詞を言う度に、

母親役である七之助さまが

うん、うん、と首を縦に振っていて、

なんか本当に自分の子どもを

見ているように見えました(笑)

もちろん劇中では母親役な訳で、

母親目線で接しているから

(↑中身は男ですけどねw)

そう見えるのは当たり前なのですが、

それとは違う、

中村屋を率いる旦那として

陽喜くんを見守っているのが

伝わってきました。 


七之助さまは相変わらず

美しかったですラブ

客席から感嘆の声が漏れていた。


赤姫や花魁姿も圧倒的な

美しさで見惚れますが、

今回の長兵衛の女房のような

「町人の妻役」も

すごい味があっていいんですよね。

夫に羽織袴を着させる時の

所作とか、いちいち滑らかで美しいキラキラ



あと、水野役が勘九郎さん。

悪〜〜〜い勘九郎さんもいいなぁ。


普段はナヨナヨした若旦那とか

アホっぽい抜けてる役とか(笑)、

とにかく笑わせまくってくれるけど、

水野は悪くて貫禄あって、

かっこよかったな〜。



そして、この演目を

浅草でやるっていうのが

やっぱりいいですね。






仮設の芝居小屋が建っているのは

浅草寺の裏なのですが、

花川戸はすぐ近く。


私も10年以上浅草に住んでいたので、

本当に馴染みのある地名です。


浅草縁の演目を浅草で演じる。

(※夜の唐茄子屋も

浅草縁の場所がたくさん出てきます)

面白かったです桜