こんにちは
在宅ライターのコティマムです
以前、
在宅ライターになってからの「苦悩」について書きました。
芸能記者からフリーランスの在宅ライターになって、
「書く」という実務で苦労していることは以下の3つ。
①校正・チェック機能がなくなった→全て自己責任
②許可や著作権関連(特にweb)
③取材対象者へのアプローチ方法・書き方が変わった
今日はこの③について書こうと思います。
コティマムは在宅ライターになってから、
企業の求人広告や、企業のホームページ&ブログ、
子育て系のwebメディアなどで原稿を書くことが増えました。
「企業」と仕事をする機会が増えたのです。
①「企業」のために原稿を作ったり、
②「企業」のクライアント(お客様)のために原稿を作るようになったのです。
これは実は、コティマムにとって初めての経験でした。
特に②の、
業務委託している「企業」を通して
その先にある
「企業(雇い主のクライアント)」のために
仕事をするというのは、未知の世界でした。
そしてこれは、
芸能記者時代とは全く違うアプローチ
で取材しなければ対応できない内容でした。
芸能経験しかない自分にとって、
ひとつひとつ手探りで試しながら、
時に失敗しながら、学んでいきました。
記者や取材経験が10年以上あるので、
「取材する」「書く」ということはすぐに応用がききます。
しかし、
慣れきっていた自分のアプローチ方法を
変えるのは、簡単ではありませんでした。
これまでは、
芸能事務所やレコード会社、PR会社などから
「取材に来てください〜!」とお願いされる形で、
芸能人が出てくるイベントや会見を取材していました。
先方にはいろいろと思惑があります。
事務所一押しの俳優、女優を宣伝してほしい。
新作ドラマや映画、新曲の宣伝をしてほしい。
PR会社ならば、手掛けているCMや新商品を
少しでも取り上げて欲しい(そのために芸能人を
CMに起用してマスコミを呼ぶ)。
私たち芸能記者は、呼び込まれたイベントや会見、
舞台あいさつなどは取材に行きます。
しかし、
先方の思惑通りに原稿を書くことはまずありません。
芸能記者としては、そのイベントに登場する
芸能人の私生活、スキャンダルなどに重きを置きます。
例えば、熱愛を報じられたある芸能人Aが、
化粧品の新商品発表会に出てきたとします。
PR会社は「新商品を少しでも取り上げて欲しい」。
所属事務所は「熱愛のことは聞かれたくない」と思っている。
しかし我々は、
「Aから少しでも熱愛のことを引き出す」
という目的で現場に行きます。
Aは現場で、真剣に新商品について説明します。
しかし、最後の最後の去り際に、
我々は
「Aさん!◎◎さんとの交際は順調ですか?」と声をかけます。
それまで、熱愛とは全く関係ない質問もたっくさんした上で、
最後の最後に畳みかけます。
仮にAが何も答えず、無言で降段したとします。
だとしても、記事は
「熱愛報道のA、交際質問に無言で退出」
という見出しになるわけです。
「◯◯化粧品の新商品発表会に登場したAが〜」という
書き出しで、
めっちゃくちゃ丁寧に説明した化粧品のことには
ほとんど触れない。化粧品に触れるのはこの1行だけ。
でもこれは、芸能事務所もPR会社も、化粧品会社も
暗黙の了解で、
我々が文句を言われることはないのです。
むしろ「取材に来てもらえてよかった」という感じです。
事務所やPR会社に
原稿のチェックをされることもありません。
(もちろん社内で文字校正や事実確認などは
二重・三重、四重チェックして公開します)。
こんな感じで、
芸能記者時代は「報道」というスタンスで、
「そこにある出来事を取材して報じる」という感覚。
「企業のPRのため」といったスタンスではありませんでした。
(もちろんPR案件もありますが。
それと、美容誌、ファッション誌、音専誌、演劇専門誌などは
芸能ニュースとは違います。
それぞれの専門に沿った深い内容を発信します)。
当時は、
これはこれで結構大変だと思って仕事していました。
現場張り込みもありましたし、
いかに「取材対象者からキャッチーなフレーズを
引き出すか」ということも大切でした。
なので、
一見関係ないような内容からジワジワと質問を投げかけたり、
他社の記者さんとタッグを組んで核心を突く質問を浴びせたり、
いろんなアプローチがありました。
しかし、こういったことは、
企業系の原稿を書くようになって、
あまり必要のないアプローチになりました。
私はやり方を変える必要に迫られたのです。
長くなったので、この続きはまた後ほど。