昨日と同じ本の紹介。 内容間違ってしまったらごめんなさい。
[図解]三橋貴明の「日本経済」の真実がよくわかる本/三橋 貴明

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今日は『政府のお金の使い方』のページをご紹介。
よくバラマキだーとか言われますが、具体的にはどういう使い方がバラマキなのか?
政府のお金の使い方は、主に3種類です。
・所得移転
・政府最終消費支出
・公的固定資本形成
なんとなく、わかりそうでわかりにくい言葉ですね。
所得移転は……子ども手当、生活保護、年金などに使われるお金です。
お金がそのまま国民に渡されるタイプですね。
これは上記3つの中で唯一、GDPになりません。
なにせお金の分の商品やサービスが対価になっていませんからね。
政府の支出として組み込んでしまうと、分配面や生産面で三面等価が成り立たなくなってしまいます。
政府最終消費支出は……公務員給与の支払いや、医療費の国の負担分などですね。
これはGDPそのものです。
公的固定資本形成は……道路や橋やダムなどのインフラ建設等に使われるお金ですね。
こちらもそのままGDPです。
こうして見ると、3つの中では所得移転系の政策が最もバラマキに近いのはわかると思います。
特に、社会保障でも何でもなく単発でお金配るやつですね。
社会に何も寄与しません。
もちろん、配られたお金を国民個々人が実際に使用すれば、それは全てGDPになります。
ただ、それが貯金に回されるかもしれず、国民に配った後は運にまかせるしかありません。
使われるにしても10年20年後ということも可能だろう・・・・・・ということ・・・!
政策としてはとても中途半端で情けない。
つまり、ひどく逆説的なのですが、お金が使われないからデフレ不況であるにもかかわらず、更にお金を渡しているわけです。
例えが適切かわかりませんが、ご飯が食べられなくて弱っている人の目の前にご飯のおかわりを置いても、何の解決にもならないと思いませんか?
栄養のお注射とか、するでしょう? 普通は。
デフレ不況の時はそのままGDPになる政策を推進して、栄養を流してあげればいいのです。
快復すれば、ご飯も自分で食べてくれます。
ちなみに、ベーシックインカム(最低所得保障)も、まさに所得移転系政策です。
対価のないお金の譲渡ですからね。
所得移転の究極形じゃないでしょうか。
逆に、所得移転の中でも、社会保障の性質があるものはそもそも仕方がありません。
保障を厚くするか薄くするか、とか、制度を適切に運用しているか、などの修正はあるでしょうが。
他には所得移転でもマシなタイプの政策は、エコカー減税とか、設備投資減税などですね。
対価が発生した後にそれに対してお金が動くので、必ずGDPになってます。
政府が自発的に作ったGDPではない、という点で、公的固定資本形成に劣りますが。
政府がお金を使う行為の全部がバラマキなわけではないよー、という話。