ネタがないので、はてなで書いた物語でも。
の25人の白雪姫ネタがかなり楽しかったので、遅ればせながら参加してみる。
こういうのをパッと思いつける人は凄いですね。 ショートショート。
軽く見ただけですけれど、誰とも被ってないよね…?
「鏡よ鏡……」
左手は胸の上に、右手は力なく伸ばし大鏡の縁に指先を軽くおき。 顎を軽く上げ憂いを帯びた目つきで唱える。
もう完成された動作。 わたしに死角はない。
ワンテンポ置いて、そう、これで質問は完了する――。
「この世で一番美しいのは誰?」
「白雪ひ…」
大鏡が勢い良く転倒する。 足元から響く音が修復不可能であることを告げている。 鏡にとって一世一代の悲鳴。
つい、指先に力が入ってしまったようだ。 わたしとしたことが……。
鏡の答えがよく聞こえなかったなぁ。 もう壊れてしまったしあぁしょうがないしょうがない。
「白雪姫です」
足元を見やる。 鏡は散々に割れていた。 鏡は25枚に割れていた。 それぞれの破片に――白雪姫が映し出されていた。
その日の内に館の主は代わっていた。
鏡から飛び出た24人の白雪姫は、まず目の前のブサイクをぶちのめしたのだ。
鏡は嘘をつけない。 割れた25枚の鏡が白雪姫だと答えたならば、この世界には25人の白雪姫がいなくてはならない。
そこである白雪姫は提案した。
「一人一時間」
世界最高の美貌を持つ白雪姫は存在する。 これからは交代制で。
各々が残り23時間を美しさの保全に――あるいはグータラ――過ごせられればこれほど理に適った事はない。
そして当然、問題が持ち上がる。
曰く、オリジナル白雪姫。
24時間制白雪姫達にとっては邪魔者でしかない。
絶世の美女2ダースを以ってしても、一日を25時間にする夢は叶えられなかったのだから。
毒リンゴ作戦は思ったより簡単に成功した。
まんまと騙されるオリ白、すやすやと眠り続ける事になったオリ白。 我らながらそんなところもまたかわいい。
しかし天はまた24人に試練を下した。 おそらく美の神の嫉妬だろう、みっともないことだ。
眠り続けるオリ白の元へ白馬に乗った王子様を差し向けた、とても偶然に。
おまけにキスまでしてもらい、更にそれで目覚めるという奇跡まで起こしてみせたのだ。
白雪姫ズは謀議を重ねた。 3人寄らば文殊の知恵。 24人寄らば8倍姦しい。
決行の日、白雪姫24人はオリジナル白雪姫がいない時を見計らって王子様を24分割した。
そしてそれぞれに持ち帰った。
帰ってきたオリジナル白雪姫はその場の惨状を見て理解した。 王子の身に何があったのかを。
オリジナル白雪姫は腹を抱えて笑った。
腹の底からも小さな笑い声が聞こえた。
奇跡はきちんと25等分された。
その内の最も価値ある部分を彼女は貰ったのだろう。 そして、彼女はすぐに醜くなった。
今、最高の美は24人の白雪姫によって管理されている。