このSSは 『最悪』 です。
不謹慎で、思慮が浅く、読めば多くの方が気分を害する可能性が高いです。
これは報道にも、作品にも、事件にも悪意を向けるものではありません。
また、特定の行動を推奨するものではありません。
それら三つの出来事が、 『過去の事実』 であり、それぞれ善も悪もない要素として扱っています。
この物語は、ムoooooブ!という題名です。
この物語は、山村での連続怪死事件がテーマで、主人公の少女は親の離婚騒動がトラウマになり、斧を使って敵を殺していくというストーリーです。
上記に納得した方以外は読むことを止めるようお勧めします。
また、以上を精読した上においても、なお不謹慎で、思慮深さに欠け、何より下品です。
あなたは18才以上でしょうか?
自分の行動に責任がもてるでしょうか?
日常にあたり障りなく行動できますでしょうか?
つまり、ふゆのん本人は読む対象としては懸念されるということです。
それでは、どうぞ。 不快になれます。
……ピンポーン。
チャイムが鳴っている。
国中に聞こえるような大きな音を立てている。
私の頭の中ではもっと大きな音が鳴っている。
何の音かはわからない。
ピンポーン。
目が移らない。 足は床に立っていない。 手にはまだ力がある。
――落ち着け! 絶対に直ぐに落ち着け! 吸って吐いて、2秒で落ち着け!
1。
2。
…はい、これでもう落ち着いた。 あなた、私の名前は?
――紀伊遠 乃菜芽。
声に出して?
「……きいとお、のなめ」
よくできました。 手を動かして…握って開いて。
グッ パッ…ゴスッ
よし……。
私は落ち着いている。
口と手も動く。
これでなんとかする。 しなきゃならない。
ピンポピンポーン!!
「は~い! 今出ま~~す!」
チャイムの相手はまだ玄関口にいる。
何度もチャイムを押している。 この居間のカーテンは開いている。 …時間がない。
べったりと汚れた上着とスカートを脱ぎ捨てる。
ついでに顔も拭う。 鏡を見ると、まだ汚れていた。 …かまわない。
膝が震えている。 私のために、玄関まで動いてくれ。
――相手はわかっている。 玄関口で追い返してやる。
「は~い! すいません! お待たせしました」
扉に話しかける。
扉が返す。
「…乃菜芽ちゃん? 夏一郎さんはいないのかしら?」
甘ったるくて聞く度に虫唾が走る声。
演技掛かっていて、顔を見ていなくても表情がわかるような話し方。
なんで男はこの手のしゃべり方を好むのだろうか。 会話もロクにしないでムネばかり見ているんだろうか。
「…はい。 家の中にはいません」
確かに、いない。 家の中にいない。
「そう? おかしいわねぇ、今日はこれからお食事に誘ってもらってたんだけど…。
そーだ。 時間に遅れた罰として、乃菜芽ちゃんと、私たち三人で勝手に行っちゃいましょっか?」
「…いえ。 この話は以前お断りしたわけですし…、私はいいです」
「いいのよぉ? 遠慮なんか。 おいしいお店、たくさん教えたげるわよぉ」
遠慮じゃねーんだよ! 何べんもキッチリ断りいれてんじゃねーか!
「…いえ、あの、今日はもう夕食も済ませてしまって、お腹もいっぱいなので…また今度お願いします。
……それより、今父はいません。 用事が無いならもういいでしょうか?
丁度着替えの最中だったので、下着で出てきてるんです」
「あら、そうだったの。 あはは、だからドア開けてくれなかったのかな?
わたしは気にしないわよ? 年頃の女の子の肌って綺麗だし、見習いたいわ。
あ~、でも時陽には目の毒かな」
ジヨウ? そういえばさっき私を入れて三人って…。
「あ、そういえばまだ会った事なかったんじゃないかしら。 時陽~~、ちょっとおいで!
ごめんなさいねぇ、ちょっと顔見せるだけ扉開けてくれないかしら、紹介するわ」
こっちは下着姿だって言ってんだろ!
「あのっ、こ、困ります、私下着…」
ガチャ。
鍵は掛かっていない。 私も今気付いた。 当たり前だ、まだ誰も施錠してない。
勝手にドアが開く。
「…あら、ホント、なかなか立派なスタイルだわ。 ん? …その顔、どうしたの?」
慌てて手で体を隠す。 顔は…。 顔!? 血が付いている!!
「あの…急に鼻血が出てきて!」
「顔中が汚れているわよ…?」
「あのっ…鼻血が垂れて服に! それを脱ぐ時に襟で擦っちゃったんだと思います!」
「とにかく早く拭かなきゃ、それと鼻の頭を冷やして横になりましょ。
上がっていい? タオル濡らしてくるから寝てなさい」
「いえ、いいです! 一人で出来ます! それよりもう早く帰って下さい! お願いします!」
「…ねえ、これ。 夏一郎おじさんの靴じゃないの?」
扉から顔を覗かせている少年がいた。