ジリリリリリリ……
男 「むにゃ…。 あと24時間…。 今日はもう起きなくていいかなぁ…、グゥ…」
時計 「ジリリリリリリリリ!」
男 「むにゃ?」
時計 「寝惚けってんじゃないわよっ! さっさと起きる! 起きるまで耳元で騒ぐぞ~!」
男 「なんだ時計か…。 おはよう。 相変わらずうるさいね。 じゃあおやすみ…」
時計 「二度寝ってんじゃねー!」
ボフッ
時計 「さぁ、時計選手、マウントポジションをとった! これには男も起きるしかないか!?
でも重いわけじゃないです! 時計選手の体重は軽いとの情報が緊急で入ってきました!」
ふにふに
時計 「やっ馬鹿! どこ触って…ひゃん! ち…違う…はぁんっ!
アラームを、止める時は…頭をナデナデす…んっ! い、いい加減に…!」
男 「…一分経った。 アラームは静かになるな」
時計 「…!! う…あ……、ひっ卑怯者ぉ…。 朝っぱらから…こんな…恥ずかしいよぉ…。
はぁ…はぁ…。 うぅ、…男の…ヘンタイぃ…」
男 「う~ん、だって馬乗りになられちゃ頭に手が届かないしなぁ。 触れるようにもっとカラダ倒してよ」
ふにふに
時計 「あぅ……、…ハイ、…どうぞ。 触ってくださ……。
…!! 一分経った! スヌーズ開始!!
…ふ、ふふふ。 よくも好き勝手やってくれたわね! いい加減に、しろーーー!!」
時計 「ほらっ! はい、下着。 さっさと着替えなさい」
男 「…そこで生着替えをガン見する気か?」
時計 「ばっ馬鹿!! 違うわよ! これは…、そう! あんたがまた寝ないか見張ってんのよ!」
男 「まぁいいけどな。 どうせシャワー浴びてくる。 寝汗が酷い季節だし…」
ガチャ、トタトタトタ…
時計 「さっさと行ってきなさい! あんまり待たせたら承知しないんだからぁ!!
……。 …? キョロキョロ。
……さっきまで、男が寝てたベッド…。 トスッ
ん…」
ガチャ!
男 「忘れ物~」
時計 「ひゃぁっ! ばっばばば馬鹿! 馬鹿!! ば、バスタオルねっ?! はいっこれっ!!
持ったらさっさと出て行きなさい!!!」
男 「…くんくんしてたのか?」
時計 「くんくんしてないわよっ!!」
ガチャ、トタトタトタタ、ガチャリ、バタ、シャワー……
時計 「…馬鹿。
…もうデートの待ち合わせ時間5分オーバーしてるじゃない。
…時間にルーズな男ってダメダメのサイテーよ、そんなのあたしの好みじゃないわ。
……なんで、起こしに来ちゃうんだろ……。
…ばっ馬鹿なのよ! あいつ! とっとと気付きなさいよ!
あたしの時間は全部あいつのためにあるんだからあっ!!」
ガチャ
男 「何か言ったか?」
時計 「ななな! 何にも言ってないわよ! 知らないわよ!! あんたのことなんか!
そこにパンとお茶出しといたからちゃっちゃと食べてさっさと行くわよ!」
男 「なぁ」
時計 「なによ?」
男 「明日もあさっても、ずっと朝起こしに来てくれるか?」
時計 「…もう来ない!」
男 「…そっか」
時計 「~~ッッ!! わっかんないわよ!! 未来のことなんか!
あんたと一緒にいる 『今』 が今日一日ずっと幸せだったら、
また起こしに来たくなるかもしれないじゃない!!
だから!! ずっとずっと! 一瞬も気を抜かずにあたしを大事にしなさいよねっ!!」
男 「…ぐぅ」
時計 「…ッ!! 寝言で返事すんなー! 食べながら寝るな! 告白しといて寝るな!
あたしの告白ちゃんと聞いとけー! もし忘れたら本当にもう来ないでやるぅー!!
もう陽が高いぞ、デートに行くぞーーーー!!!」