『カムイ外伝』をDVDで観ました。
原作は読んでいません。
監督:崔洋一
出演:松山ケンイチ、小雪、伊藤英明、佐藤浩一、小林薫
原作:白土三平『カムイ外伝』
主題歌:幸田来未 "Alive"
公式サイト:http://www.kamuigaiden.jp/
◆お話◆
伊賀の里を逃げ出したカムイ(松山ケンイチ)は、抜忍として追忍(ついにん)から追われ命を狙われる身となる。
逃亡中、カムイは、領主の馬の脚を斬りおとして奪って逃げる半兵衛(小林薫)を助ける。
半兵衛の住む島へと渡るカムイ。
だが、半兵衛の妻は、映画が始まってすぐものすごく不可解なアクションを見せていた抜忍のスルガ(小雪)だった。
スルガはカムイを警戒するが、娘のサヤカはカムイに恋心を抱く。
そんなこんなでカムイはしばらく島で平和なときを過ごすが、そんな日々は長くは続かなかった。
行く先々で人を不幸にする典型的な死神・カムイ。
でも逃げる。
自由を手に入れるまで。
◆だいたいの感想
長い。3時間ぐらいある。
さすがに脚本に破綻はないけれど(脚本は、監督と宮藤官九郎)、でも長い。
ただ、最後のほうのキーパーソンの(はずの)フウガ(伊藤英明)が、どういう動機であんな行動を取っているのかがよくわからず、ただのキレたおっさんみたいだった。
CG、ワイヤーアクション、合成。
どれも何も言えないかんじのできだった。
これ、映画館で見てたら怒って出ることになったと思うけど。
飯綱落し(ブレーンバスターみたいの)はえらいことでしたね。
変移抜刀霞斬りは、使う意味がよくわからなかったけど、なんかよかった。
でも、肉弾戦と言うのか、すごく近いところで斬り合いするシーンはなかなか迫力ありました。
脚狙うとか、チャンバラではしないようなのがリアルだった。
ほかにも、人が死んでる様子や、いじめたりいじめられたりするシーンには凄みが…。
崔監督の映画ってこれが初めてなのですが、多分これが監督の持ち味なんでしょうね(先入観かもしれないけど)。
松山ケンイチの足が速そうなところもよかった。実際に速いのかどうかはどうでもいいのですが、速そうに見えたから。
あと、本人かどうかよくわからないんだけど、サヤカが見る夢に出てくるカムイの顔の不気味っぷりはアッパレでした(笑)
ある意味いちばんおいしい役で、いちばん目立ってたのが、土屋アンナ。
この人、どろろでも目立ってたけど、化け物じみた雰囲気ありますね(←ほめてます)。
◆何度かDVDを止めたところがありました(止めるな)。
・ 最初の小雪のアクション(なんか首に巻きついてきて、それで引っ張り上げられるとこ)、その動きはしないだろ??? と目が点に。あと、小雪は全然強くなさそう。
・ 領主(佐藤浩一)の登場シーンのナレーション。「妖気漂うこの男」と言っていたようだが、佐藤浩一の顔がぼけーっとしていて「妖気」が漂っているように見えず、言葉が聞き取れなかった。
とか言って、やっぱり聞き取り間違ってたらすみません。
・ 最後のほう、伊藤英明の「このケラク、おまえも知っているだろうな」的なセリフ。「ケラク」が何かわからず。多分「快楽」のことだと思うんだけど。これはわたしの教養不足です。
こんなところかな。
原作でいうと、↓このへんの話なのだそうです。
- カムイ外伝-スガルの島- (ビッグコミックススペシャル)/白土 三平
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カムイ、男前だな。
これで逃げたら目立って仕方ないだろ。
『いばらの王 -King of Thorn- 』を観てきました。
アニメーションです。
監督:片山一良
出演:花澤香菜、仙台エリ、森川智之
原作:岩原裕二 『いばらの王』
主題歌:MISIA "EDGE OF THIS WORLD "
公式サイト:http://www.kingofthorn.net/jp/
宣伝担当さんのブログ:http://blogs.myspace.com/kingofthorn
制作はサンライズで、『FREEDOM』や『スチームボーイ』をてがけたチーム。
◆お話◆
舞台はごく近い未来の地球。
罹患すると体が石化し死亡してしまう、致死率100%の謎の病「メドゥーサ」が世界中で流行する。
治療法も予防策も見つかっておらず、世界は大混乱となる。
そんななか、大手化学メーカーヴィナス・ゲイトが「コールドスリープ」技術を開発、資格者を募集する。
適合者として選ばれた者は、「アリス」と呼ばれるシステムに保護されながら、治療法が見つかる日まで眠りにつくのだ。
メドゥーサのために両親を失ったカスミは、コールドスリープ資格者に選ばれる。
双子の姉であるシズクと別れ、眠りにつくカスミ。
だが、次にカスミが目を覚ましたとき、部屋は茨で覆われ、恐ろしい怪物たちの住処となっていた。
施設に何が起こったのか。
スリーパーたちはどのぐらい眠っていたのか。
その間に世界はどうなってしまったのか。
カスミは再びシズクに会うことができるのか。
メガネっ子の冒険が今始まる。
始まるんですよ。
◆だいたいの感想
長い。
原作のコミックが6巻まで出ているそうなので、詰め込んでも尺が伸びるのは仕方ないと思います。
見せたい絵がたくさんあるのもわかります。
でも、映画としては必要以上に長い気がする。
アニメーションとしてはとてもきれいでした。
あんまりアニメの映画を見ないのでよくわからないのですが、CGとセルアニメとがくっきり分かれている感じではなくて、ずいぶんそういう意味では自然になってました。
モンスターとか本当にこわかったし。
観客は、20代あたりの男性(学生さんか?)がほとんど。女性もいましたが、やっぱり若かった。
そこそこ人は入っていましたが、いつもの雰囲気と違っていておもしろかったです。
私の近くに座っていたおじさんは、時々何やら笑ったりつぶやいたりしていて、ちょっとホラァな気分を味わえました(笑)
原作を読んでいなくても、コアなアニメファンでなくてもそこそこ見られると思いますが、絵柄と声優のチョイスはワリとそっち向けだった気がします。
私はカスミちゃんの声がどうにも好きになれなかった。
「お子様からおじいちゃんおばあちゃんまで」という映画はこれっぽっちも期待していなかったとはいえ、アニメーション技術やキャラ萌えが主眼でない人々もいるわけですから、もうちょっとストーリー運びは親切でもよかったんじゃないのかなぁ。
かなり残酷な描写があるのですが、年齢制限はないようです。
苦手な方はお気をつけて。
◆ストーリーのこと(ネタバレあり)
ストーリーは、なんだか腑に落ちないところがいっぱいありました。
誰か教えてください。
・ はじめ。女の子がビルから落ちてくる。道路にたたきつけられた彼女の体は石化していた。
おお、こわい! これは期待できそうだ。と思った。
街の描写も綺麗だ。
・ 「メドゥーサ」という奇病が世界を大混乱に陥れる。
世界中のニュースがこの奇病について伝えている。
どの国のニュースキャスターも、日本語を喋っている。
いいよ、別に。いいんだよ、日本のアニメだからな。
でも、世界中のニュースだってなかなか気づかなかったのよ。
せっかくハイ・クォリティーなのだから、ここはもう一歩ほしかった気もしたが、後になって、コールドスリープ施設で出会った人々が普通に話しているのを見て、「なんか共通言語があるんだろう」と好意的に解釈することにした。
201X年の話だった気がするんだけどね。
・ バスでスコットランドのお城に向かうカスミと、つきそいのシズク。
きれいな女性がその隣で、『いばら姫』をなぜか音読している。いい声だ。
音読しているくせに、シズクが「それ、『いばら姫』ですよね」と話しかけると、むつけた顔をする。
ふつう、音読しないよね。
でも、これは、このストーリーが『いばら姫』と関係あるんだよって予告なんだ。
だから、『いばら姫』的な話が展開されるのだろう、とメドゥーサからちょっと軌道修正する私。
・ ところで、公式サイトを改めてみてみると、カスミもシズクもメドゥーサ感染者、とあるのですが、映画を見た限りよくわからなかった。(見落としか?)
・ ↑がわからなかったので、仮にコールドスリープで100年眠りについたとして、100年後に人類が全滅していたらどうするんだろう、と資格者たちがヴィナス・ゲイトに尋ねなかったのが不思議だった。
・ 資格者たちはブレスレットを手首にはめる。「メドゥーサ」にかかっている人は、白い部分が黒く変色するしくみらしい。案の定そんな人がいる。
ここで私は、「他の人たちはかかってないんだ」と判断してしまいました。
そうではなくて、「感染しているが発症はしていない」ということだったのかしら。
・ コールドスリーパーたちを管理するシステムの名前が「アリス」と判明。
あ、ありす……。次は不思議の国に軌道修正か?
ついでに『バイオハザード』を想起。
軽く混乱。
・ みなさんカプセルの中へ。よい夢をー。
・ 突然コールドスリープが解けて、みんなが目覚める。
モンスターが襲ってきて、あっという間に160人のコールドスリープ資格者が7人にまで減ってしまう。
すごい展開だ。
・ 襲ってくるモンスターが怖い! 容赦なく食べられてしまう。
・ モンスターから逃れ、仲間の裏切りを疑い、ついにはヴィナスゲイトのCEOまで現れ、「メドゥーサ」とは何か、「アリス」とは何かが明らかになってくる。このへん、なかなか面白かったけど、ついていくのがたいへん。
・ オルタナティブとかって、重要な言葉が何の説明もなくいきなり出てくる。
ちなみに、「代替」という意味のよう。
・ CEOの告白で、「アリス」システムの真の目的がわかる。
でも、その目的の具体的な意味がよくわからない。
「夢が現実になる」って、どんな夢をどう現実にしたかったのか、よくわからなかった。
CEOは人類の進化について語りますが、それを熱望している、という印象もあんまりなかったのですが。
また、現在の「アリス」が誰なのかがぼんやりわかってくる。
茨がびっしり、モンスターがわんさかなのは、今の「アリス」が暴走したせいだった。
でも、なんで茨がものすごい勢いで増殖し世界を覆いつくそうとしていたのか、なんでモンスターがティムがやっていたゲームに出てくるものばかりなのか、最後までわからなかった。
茨がお城だけ守ろうとするのならわからんでもないのだけれど。
・ ちなみに、キャラクターたちの背景はほとんど説明されない。これから見る方で原作を読んでいない方は、最初に公式サイト でチェックしておいたほうがいいかも。
細かいところは気にしなければいいのかもしれないですが、こう、なんというか、映像が緻密なのでストーリーも原作読んでない客にももう少しだけわかりやすくしてくれたらよかったのにな、と思います。
私がターゲット層に入ってなかっただけかもしれませんけど(笑)
以下、私の頭が固いだけ、と言われればそれまでのような気もする疑問点。
・ なんで茨なのか、よくわからない。タイトルの意味がよくわからなかった。
ゲームと関係がある、というだけのことなのだろうか。
・ もう少し正確に言うと、メドゥーサ(ギリシャ神話)といばら姫とアリスという、全然別のモチーフが同居していて、なんだか混乱した。
・ モンスターはどうも元人間のようなの気がするのだが(人間しかメドゥーサにかからない)、答えはなくスルーされていた。
・ そもそも、人体実験を平気で行っている企業のようですが、そのへんどうなの……。
・ 最初のほうで「バイオテロかも」と報告していたお兄さん、雰囲気あったのにその後一回も出てこなかった(笑)
・ マルコ……活躍しすぎ(笑)
・ で、結局人類は生き残れるの??
(これについては別に答えがなくてもいいのだけれど、途中で完全に女の子の自我にテーマが移っちゃったので……。)というわけで、映像的にはすごかったと思うし、展開はあんまり親切ではないけれどお話は面白かったです。
メガネっ子、双子の姉妹、トラウマなどなど、そういうの好きな方は楽しめると思います。
そうでもない方は、公式サイトで確かめてから行ってみてください。
また、原作とは展開が異なっているようです。
読んでみたいかな。
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けっこう可愛い絵だなぁ。
シャッターアイランド。
テディ(単なる読み落としかもしれません…!
結構長いので、「これでわかるでしょ?」といったチラリズム的な点は病棟に入りエンジンが収容されたん。
私の感想としてはありませんがよかったので、暗号、後半に驚け、英語圏の名前がかかってこないかな感じでした(私のか最後に行ったようなで、このお話の説明はありません………)の場合、最後に読んだほうがかかってくると違ってこないなものがよかったがよかった本を最初にします!
*このエントリは、ブログペットの「やしち」が書きました。