2015年1月読書メモ | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

戦略のアイデアはミネルヴァのフクロウのように、概して組織に黄昏が訪れた時に飛び立つ。古いことわざにあるように、戦略とは弾薬が切れかけても的に悟られないようにすべての銃を撃ち続けることだ。一般的に、企業は別の方法でみずからの存在を正当化できない時に戦略に頼り、自分たちがどこへ向かっているのかわかっていないときに計画を始める。



    ダフ・マクドナルド「マッキンゼー」



1月読書分からメモ


情報と謀略 上/国書刊行会
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世界を舞台に渦巻く謀略の数々がむしろ陰謀論・フィクションではないかと思わせるほどに面白い。赤いオーケストラと黒いオーケストラのように、まさに情報戦略が国の浮沈を左右し、現代のような公開情報溢れる衛星時代とは「情報」の稀少性が根本的に異なったことが想像させる。ちなみに、下巻はゾルゲ事件を中心に日本の情報分析官「仲小路彰」氏の挫折が描かれておりまた毛色が異なる。


猟師の肉は腐らない/新潮社
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かの小泉教授が漁師小屋を訪ね、野山(川)の野趣溢れる食材の数々を堪能する(ジビエ、虫、どじょうなどなど)。その食材の裏には日本の食糧問題も垣間見せる。読んでいるうちに思わずヨダレが出ること必至。



経済学をまる裸にする 本当はこんなに面白い/日本経済新聞出版社

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経済学は一体何の役に立つのかという根本的疑問に答える平易な教科書。最後に、恒例の訳者山形浩生氏の解説で、著者が誤用している可能性が高いカーライルの「(経済学は)陰気な科学」なる記載に込められた皮肉(奴隷を扱う技術を衰えさせる(大意))が明らかにされておりまた面白い。