基本的に世界を変えたいとか革命したいという感情は健全なものなんだよ。一連の宗教事件なんかでさ、わりとそういうことが気分の悪いことだみたいに喧伝されているけど、実はそうじゃない。生まれたときから他人に決められたルールを無自覚に受け容れるほうがどうかしてるよね。
幾原邦彦『アニメスタイル 第5号」
後半はもうはらはらと涙が流れるのを留め得ず、そのまま朝出勤まで一睡もせず朝を迎えさせて頂きました。
翻訳こんにゃく味噌味『輪るピングドラム』最終回オールナイトイベント
やらおん【関東】『輪るピングドラム』本当に感動したいい最終回だった! ありがとう
アルファルファモザイク【完結】「輪るピングドラム」 #24 考察ネタ色々 生存戦略しましょうか!
ぷりそく『輪るピングドラム』第24話(最終回)…生存戦略と運命のピングドラム
あまたの考察は既に記されているので、記されていないことでつらつらと考えたこと。
輪るピングドラム=自己犠牲という絶対的な愛(そして血の繋がりがむしろ呪いとして描かれるのはキリスト教の要素かな)の本線が、高倉兄弟+林檎で綺麗に描かれているのは、NHKのInterviewで幾原監督の描きたかったテーマの一つでしょう(ただ、それは決して平凡な日常の尊さではないとは思うけれど(苦笑)。
伏線は桃果と渡瀬眞悧の特定の誰かのためではない博愛主義と裏返しとしての憎悪。16年前の直接対決は呪文が最後まで完成しなかったがゆえに共に半分に割かれて中途半端な形で存することとなった。
桃果は運命の乗り換えで子どもをやり直すべき処、陽毬とマリオに(半分だからこそお互いに脆弱な存在)。渡瀬眞悧は今乗っている列車から強制下車させられそのまま永遠の停滞に留められるべき処、生きつつ死んでいるという下車しているのだかしていないのだかわからない存在に(最後、呪文が完成したことで図書館という名の物語の読者の位置に追いやられる)。その呪いの余波が本線の主人公を揺さぶり続けたさまが24話でもって綺麗にまとめ上げられたと思います。
ミスリーディングでプリクリ様の世界、バンクシーンは性描写かと思わせておいて、まんま運命の乗り換え所だったんですね。導入がホームの改札だし、ラストの黒→白へとクマが入れ替わっていましたし、桃果の世界だったんですね。
・・・それにしもて、ウテナの時よりも理解しやすいと感じたのは、無駄に歳をとったことで渡瀬眞悧(あるいは暁生)の思想に近いところに立ちつつあるからかと思いつつも、主人公たちのピュアさが眩しくて眩しくてたまりません。
- 輪るピングドラム 3(期間限定版) [Blu-ray]/木村昴,木村良平,荒川美穂
- ¥9,240
- Amazon.co.jp
- ▲第一話の少年たち(乗り換え後の高倉兄弟に置き換えられた)の会話に総てのヒントがあったように、何度も見返せば見返すほどに楽しめる仕掛けは随所にあるでしょう。年末年始は、これで楽しめそうです♪こういう作品に出会えることこそが私にとって人生の愉悦ですよ。