ずっと仕事のターンのまま、コミケにも行けない年末となってしまいました。あまりの多忙ぶりに、途中身体が悲鳴をあげて、全身マッサージにも行く羽目に。もう若くないということをしみじみと感じました。来年は、少なくとも年度末にかけて有給を若干消化予定なので、通常モードに戻るはずです。今年一年も、色々と世界の片隅で呪詛を吐き散らしてきましたが、こころもち世界にも呪詛が廻りつつあるのかなぁと仄暗い喜びを感じたり(笑)
兎にも角にも来年も倶楽部にお付き合いをいただける方はよろしくお願い致します(共生新党と同じく出入は自由です)。
2009/12/31 に引き続き、今年一年のベスト10とともに行く年にお別れを(年始のお供になれば幸いです)。
- なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する/スティーヴン・A. ドリズィン
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- 日本では足利事件を契機に「イノセンスプロジェクト」は発足しませんでした。直前に足利事件と同様のケースで死刑執行していたということも統治側に暗い影を落としていたのやもしれません(足利事件直後に弁護士が再審のためにDNA再鑑定を申込んだところ、既に証拠物は破棄済みという回答があっさり寄せられています)。
- 自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来 (新潮選書)/グナル ハインゾーン
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日本の凶暴な団塊世代のみならず、まさにオバマが踏み込もうとしているアフガンの泥沼まで含めて、人口統計なかんずく若者世代のボリューム(突出する形で歪んだものが「ユースバルジ」)で世界史を眺めるというまさに世界・社会を考える上で必須の視座を提供することに成功している。
- 教育再生の迷走/苅谷 剛彦
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- 教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)/苅谷 剛彦
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オクスフォードにいきし希望の星、苅谷教授の置き土産二作(当然どちらも必読です)。「教育」を語ることは一見敷居が低く容易のようにみえるけれど、専門学識ないといかに悲惨な言説が横行することになるかを教育再生会議の教育的遺産として遺せれば幸い。
- 予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」/ダン アリエリー
- ¥1,890
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(ミクロ)経済学が根底におく人間像の修正、そして社会心理学との近接という個人的に非常に興味惹かれるところでこの手の本がでるたびに読んでいるのだが、今年の中で一冊をとりあげるとするならばこちら。
- グローバル化する厳罰化とポピュリズム/日本犯罪社会学会
- ¥2,730
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- 日本の殺人 (ちくま新書)/河合 幹雄
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- 終身刑の死角 (新書y)/河合 幹雄
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今年は犯罪学・刑事司法に関しては当たり年…というか浜井浩一、河合幹雄教授という唯一無二の専門家が立て続けに刊行し、犯罪白書の転向とあわせて治安悪化言説にトドメを刺した格好。
- エコ・テロリズム―過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ (新書y)/浜野 喬士
- ¥798
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エコ・エコ言う人間を十把一絡に冷笑するのではなくて、きちんとその中身によって濃淡をグループの出自など踏まえて分析する必要性を教えてくれた、非常に楽しい一冊だった。言説分析というか社会思想を取り扱う専門家たるものかくあるべしと唸らされた。
- 黒い手帖―創価学会「日本占領計画」の全記録/矢野 絢也
- ¥1,785
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ついに政権からは堕ちたけれど、宗教と政治が結びつくことのおぞましさがわかります。宗教に権力を持たせるのは社会にとって純粋に恐怖です。
- 判例労働法入門/著者不明
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労働問題について、現実的、具体的に解決したい方は必読。もちろん、労働・若者問題を酒のつまにぐだぐだと実存だとか絡めて永遠と語りたい人にはお薦めしません…というかそんな人はこのブログ読まないでしょうがwww
- セブン‐イレブンの正体/古川 琢也
- ¥1,260
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こちらも今年、大きく動いた問題。マスコミがなかなか報じなかったが問題こそ、政治・行政が介入しないと事態は改善しません。民主党が政権を握ったことでよりいっそうの進展があるのか来年さらに要注目。
- 1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景/小熊 英二
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- 1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産/小熊 英二
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俗流でない(笑)若者論批判の書、というか褒めている部分は読み飛ばしました。学生運動が「ココロ」の問題として矮小化、半径3m以内で内ゲバしながら社会から遊離していく喜劇と、社会と結びついていく警察権力の巧妙さが表裏でよく描かれています。
- 心理学で何がわかるか (ちくま新書)/村上 宣寛
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