平成最後の邦楽鑑賞会。思えば、この会に足を運び始めたのは平成に入ってからである。
昔は、二部制だった事もある。が、今や縮小されて・・・。
出演者の面々も大分変った。それでも昔からご出演の方々を観ると安心する。
堅田喜三久氏は今年歳男である。亥年のおとめ座と記憶している。亡くなった前の師匠は喜三久氏の幼馴染。同い年であった。亥年のいて座。「行ったら行ったきり」そんな人生のイメージだ。だからきっと早逝されたんだろうな。亥年といえば、今の師匠も亥年である。亥年に縁があるんだな。
さて、喜三久氏は御年八十三歳。すごい!八十三歳でよぼよぼでも舞台に出ている人はいらっしゃいますが、彼方はぜんぜん若々しい。
かもし出すパワーは脂がのった年頃だ。
奇しくも、前日のテレビの邦楽番組が彼方の特集であった。テレビは恐ろしい。
皮膚に刻まれた年輪をこと細かに映し出してしまう。「ああ、お爺さんになられて・・・」と感じてしまった。視覚の雑念が耳をも惑わして「年老いた芸」と感じてしまう。何か悲しくなった。
が、舞台というのは、ライトがその年輪を消し去ってくれる。その人のオーラだけを伝えてくれる。
視覚という雑念を消してくれて、素直にその方の芸年齢を受け止める。やっぱり舞台人の芸は舞台よね。
今年のこの会。師匠もご出演なのだが多忙な毎日で最優先のイベントではなかった。
そろそろ研究の方も佳境に入っている。チームでやっているので、私事はなるべく控えたい。
しかし、蓋を開けたらこの日がお休みだった。他のメンバーのスケジュールを確認しても、この日に集まる事はないでしょう♪
という事でチケットを入手した。売れ残りの席・・・。というか、以前だったら、あの時期に「売れ残りの席」なんて無かったのに。
チケットの売れ行きが以前ほどではない事を感じた。
考えてみたら、スーパースターの存在がないなぁ。
演奏が安定している。確かに、個々で見れば「上手い♪」と胸を躍らせてくれる演奏をしてくれる。しかし、安定しているが何かが足らない。
私が「今回は色々と多忙だし無理しなくても」と思った原因の一つかも知れない。
今日のメインの曲は『角兵衛』であった。以前も直吉氏の唄ったこの曲を聴いたことがある。
今まで聴いた『角兵衛』で「おや、きいたようだよ」というところ!心底「素敵♪」と胸にハートをマークをいっぱいいっぱいビームしてくれる唄方さんは彼だけである。直吉氏の色気も健在。本当に行った甲斐がありました。このワンフレーズにお金を払った甲斐があった。また、長唄を聴きたいという気分になった。ありがとうございます。感謝、感謝。
ワンフレーズのおかげで有意義な休日となった。明日は仕事。
来週は、最後のアンケートを配って、月末には収集して、来月初めには集計をとって・・・。
いよいよ、論文作成の予定。