浅草寺の裏手に仮設で建てられた劇場。平成中村座昼の部に行って参りました。
天井を見て気が付きましたが、大きなテントなんですね。でも、大変居心地のよい劇場でした。
所謂一等席(松)は平場に座椅子があってちょっとだけゆったり座って観る感じのお席。が男性のように胡坐とかだったら良いけれど、長時間正座はきついな・・・。という事で所謂二等席(竹)長椅子席のチケットを取った。しかし、靴を脱ぐというのは解放感があって良い。なんかとってもリラックスした気分で芝居見物ができたぞ♪
一、源平布引滝実盛物語
二、近江のお兼
三、江戸みやげ狐狸狐狸ばなし
『実盛物語』、勘九郎丈のご次男(五歳)である長三郎丈の演じた太郎吉はとても可愛かった。子供らしく伸び伸びとした太郎吉の演技に笑顔となった。ついこの間、お父上があのような年頃であったのに、時間の進みの速さに吃驚する。
今日は残念な事に昼の部にご長男の勘太郎丈の出演がなく拝見できなかったが、二人の成長がとても楽しみ。
しかし、歌舞伎の世界もどんどん次世代に受け継がれている。飽きることなく、ずっとずっと楽しみが続く感じである。
お話しも「えっ!」と歌舞伎らしいどんでん返しだらけで面白かった
『近江のお兼』。七之助丈の舞踊。先日の十月の歌舞伎の感想にも書いたが、彼は最高権力者の御台所から超プアな百姓まで、そして老人から娘まで何をやっても型にはまる凄い役者さんだと思う。
近江のお兼はお父様がお好きな舞踊の一つなんですね。私は十八世中村勘三郎丈の踊りが大好きだった。残念な事に彼が踊るお兼を拝見した事がないのですが、きっとおきゃんで逞しい可愛いお兼であったのではないかと想像した。
今更気が付いたのですが、七之助丈はお母様によく似ていらっしゃるなぁと思いました。つまり母方のおじい様である七世中村芝翫の面影を何となく感じました。
そうそう、長唄連中。タテ三味線は亡き杵屋五三吉氏のご長男である杵屋五吉郎氏であった。すっかり立て三味線の風格だ。タテ小鼓はご次男の「望月・・・あれあれ」。プログラムを拝見して合点がいった。五三吉氏のお父様は田中傳一郎氏であった。その名前を発見。おじい様の名跡を継がれたんですね。
しかし、あちらこちらにご兄弟。素敵ですね。
『狐狸狐狸ばなし』。まあ、とにかく楽しいお芝居でした。歌舞伎初心者の方でも分かりやすくて楽しめる作品だと思います。
タイムスケジュールを見て一時間半くらいのお芝居。途中で飽きてしまうのではないかとちょいと心配してしまいました。
ところがテンポのある展開で飽きるどころかどんどんお芝居に引き込まれてしまいました。
・・・御簾から聞こえる長唄。どこかで聴いた曲。歌詞が違うと思うのですが“喜撰”とか“まかしょ”系。楽しそうだった。
幕間のお弁当は浅草名大らーめん与ろゐ屋の中村座限定弁当“焼豚と玉子の三色重”でした。
時間を読み間違えて会場に着いたのがけっこうギリギリで手元にあったお弁当を選んだ。
お弁当を開ける時、箸袋に「らーめん」の文字を見て、ラーメン屋の弁当?!と思いましたが・・・いやいや美味しかったこの上なし。
芝居上演中から降り始めた雨。激しい雨がテントの天井を打ち付けたのですごい音だった。こういう劇場ならでは体験。雨漏りするのではないかとちょっと心配になった。それから、かすかに浅草寺の御祈祷の太鼓の音も聞こえちゃったりして。という事はこの芝居小屋の音も外でかすかに楽しめるのかもしれないですね。
芝居が跳ねても雨は続いていた。
『狐狸狐狸ばなし』でそばを食べるシーンを観て・・・あまりに役者の皆さんが美味しそうに蕎麦を食べるので、どうしてもお蕎麦が食べたくなっちゃった。
という事で手打ちそば十和田というお店にドボン♪
夕食にはちょいと早かったですが・・・おいしゅうございました。
炭水化物摂取オーバー。またデブになります。