自己責任 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

ジャーナリストY氏がテロリストから解放されて話題になっている『自己責任』という言葉。

皆さまはどうとらえていますか?

 

危険地域と分かっていても、世界中の人々に世界の真実を伝えたいと使命を持って奮闘しているのがYさんをはじめとしたジャーナリストですね。

私は別に「我が人生が平和なら他は興味なし」なので、別にYさんが発する情報などあまり興味がない。

伝える側というのは、

「きっと皆も知りたがっている」を前提に成っている仕事であろう。

 

誰しも職業において自己責任は存在する。好きで選択した職業ですからそこに自己責任が存在して当たり前です。

看護というのは、看護を必要としている万人のために存在するものです。「なんでこんな人を看護するんだ」と言われても、必要とされているから仕事として看護を提供しています。

医療刑務所とか、社会に対して罪を犯した人を看護するような現場があります。極悪非道の悪人もその現場にいます。死刑を待つ受刑者もいるでしょう。世間一般では、なんでそんな奴に・・・という思いもあるかもですが、やはり「人」として看護を必要としている立場だから、看護が提供される。

が・・・以前、一緒に働いた看護師で、医療刑務所の看護師をやっていた人がいる。患者=汚いものと認識している。患者一人に触ると周囲が吃驚する勢いで手洗いする。夜勤で給食を食べる際に箸を忘れた際に患者さん用の割りばしを使用したら「よくそんな汚いもので食べられる」と言われた事がある。彼女にとって患者は汚いもので・・・本当にストレスだったんでしょうね。医療刑務所というところがどんなのか知らないですが・・・。きっと、罪を犯した人=汚い人で彼女に認識され、それが患者=汚い人になってしまったのでしょう。

けっこうおばちゃんのナースでしたが、一般病院に就職しても過去の認識を引きずって辛かったでしょうね。

よく発展途上国のところに派遣なりボランティアで出向するナースがいる。エボラとか恐ろしい伝染病が存在する地域に行っても、そけは自己責任である。不幸にも伝染病に感染してというナースはいると思います。しかし、それを治療するにあたって「国の責任」と訴える人って皆無だと思う。感染の危険地域に行って感染してしまうリスクは自己責任。
 

Yさん自身も自己責任において危険地域の取材に飛んだのだと思う。不運にもテロリストに人質になって。

再三国家から「行くな」と言われても渡航したのだから、自己責任の何者でもないと思う。

何だかの本人の段取りのミスでテロリストの手に落ちたのだから「自己責任」と言われても仕方がない。

が・・・日本人ってそこまで厳しい思想の持主ではないですよね。

生きて帰ってきた事で「良かったね」と互いに喜び合える民族と私は認識しています。

が、そこに「自己責任論」がクローズアップ。きっと海外ではそんな事言われないかも。日本人らしい反応だと私は思う。

私も「自己責任で行ったくせに・・・!「何にあの態度」とご本人やご家族の態度に思いました。

 

マスコミで、彼を「英雄」と言う人もいたりして・・・。けっして英雄ではないと思います。

「国民が必要とする情報を発信している」と言いますが、私はあの地域は古代からあちらこちらで戦闘している地域ですし、別に私の生活には関係ない。戦争で迫害された子女は可愛そうと思うけれど、それ以上に何も思わない。別にいらない情報だ。
それを「全国民が必要としている情報を命がけで取材している。が、手違いで人質になって大変な思いをした」と言われても、ああそうですか以上の何にも感じない。ですから、彼は私にとって英雄でもなんでもない。

私の目には

「国の阻止を聞かずに、『みんなが必要』という妄想で危険地域に入って、人質になって迷惑な人」としか映らない。

 

ご本人はじめ、ご同業の方は「自己責任」という事で仕事をしているらしい。

が、こういう事態になると「自己責任」では済まない事がある。

日本は金銭を払った事を否定しているけれど、どこそこの国が何かの取引でお金を払ったらしいという情報がある。

テロリストたちは「大切な商品」なので、ある程度の恐怖を与えても取り扱いVIPですよね。

監禁されていたわりに元気なのはそういう事ですよね。

まあ、国同士の国益でこういうのは使われるのは当然。が、民間レベルでどうのこうの言っても仕方がない。

普通だったら「帰って来られて良かったね」で済む国民性なのが日本だと思います。

それを「自己責任論」で盛り上がるのは、

ご本人やご家族の態度ですよね。日本人は「お涙頂戴」が好きな民族。

謙虚過ぎるほど謙虚な態度であれば

国民全員「良かったね」モードですよね。

「申し訳ありません」「ご心配おかけしました」「ご迷惑おかけしました」「ありがとうございました。おかげさまで」というコメントをみんなが求めている事です。それも第一声で必要な言葉で、冒頭になければ、のちのちに言っても「言わなかった」と捉えられる。

 

前衛的な方や、イケイケの方が忘れがちな言葉ですが、謙虚な言葉。それがないとダメな日本人。

Yさん及び奥様は不器用な方々だなとただただ思います。

 

私は、この謙虚な文化が好きです。

だから、Yさんの一連の報道はただただ残念にしか映りません。

一見、私たち日本人は中国人にも韓国人にも北朝鮮人にも見られますが、そういうアイデンティティは忘れて欲しくない。

各国、国民性がある。その国民性を忘れて欲しくない。