妖精ちゃんとのお別れ | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

何気にピーターパンに似ていて、愛らしい彼女に付けたあだ名が妖精ちゃん。

可愛らしくて、笑顔がとても素敵だった。時々、小悪魔のようになって、私たちを困らせる事もあったなぁ。

 

妖精ちゃんと私から呼ばれていた方を昨日お見送りした。

98歳の妖精ちゃん。徐々に衰弱して、そして数か月前からついに経口的にご飯を召し上がる事ができなくなった。夏の終わり位からさらに全身状態が悪くなって、それから低空飛行が続いていたけれど、終わりはあっけなく突然だった。

大好きだった妖精ちゃん。周りのスタッフから「依怙贔屓している」「本当に好きなんだね」と言われた。確かに、接し方や声の感じが違うかも・・・。大好きが全面に出ていたなぁ。

「妖精ちゃん、かわいいね」と声を掛けると愛らしい笑顔で私を見てくれた。癒してくれたなぁ。

ある時、いつも喋らない彼女が、いつものように「妖精ちゃんは本当に可愛い」と声を掛けたら、「あなたもかわいい」と言ってくれたことがあった。彼女の言葉をほとんど聞いた事がなかったから感動だった。「可愛い」と言われた事が嬉しかったのではなくて、言葉を発した事が嬉しかった。喋らない人と思っていたから。。。でも、あれが最後だったな。

私も大好きだったけれど、彼女にとっても私は気になる存在だったらしい。部屋に入るといつも私の動きを目て追っていた。

同僚に「○○さん(妖精ちゃん)はfuyusunの事が本当に好きなんだね。私がごはんを食べさせているのに、ぜんぜん私を見てくれなくてfuyusunの方をずっと見ているんだよ」と言われた事がある。

 

朝が弱い妖精ちゃん。でも、「妖精ちゃん」と声を掛けると重たい瞼を一生懸命に開けてくれて、ニコッ♪と可愛い笑顔を見せてくれた。

実は、意識レベルが低下して、ほとんど反応がなくても、私が「妖精ちゃん」と声を掛けると何気に反応しようとする彼女の努力を感じ取れた。

昨日も夜勤勤務に入って、重症の彼女のもとに。

「妖精ちゃん」と声を掛けると、Ⅲ-300という彼女の眉毛が微妙に動いたのを見てしまった。声が聞こえている。そして、その声に反応を示そうとしている。

状態的に、絶対に私の夜勤まで無理と思っていたけれど・・・。

何気に、昨日、出勤途中で、もし出勤して彼女がご存命なら、

「きっと私がお見送りする事になる」と脳裏をかすめていきました。

変な話、私を待ってくれたのかな。「お待たせいたしました」だったかも知れない。

 

しかし・・・突然すぎる変化だった。それまで安定していた心拍。なのに、ずっと80から90代だった心拍が突然予兆もなく50代に・・・。

本当に吃驚した。そして、一気に落ちてしまって。

ご家族に連絡している最中にもどんどん悪くなっている。

最後はご家族に看取ってもらいたいのに・・・。

けっこう遠距離にお住まいのご家族だったので間に合わなかった。

それが残念で仕方がない。

 

大好きな妖精ちゃん。

ピーターパンのように飛んで行っちゃった。

さようなら。今までありがとう。