芸術祭十月大歌舞伎 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
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母と歌舞伎鑑賞。三代目中村橋之助丈がお父様の名跡を継がれ、その襲名公演である。

先代の『紅葉狩』とか好きだったなぁ。と過去を振り返る。

私は子供の頃から、中村歌右衛門丈や中村芝翫丈が好きだった。

六代目の歌右衛門丈が亡くなって大分になります。

跡取りは本日「芝翫」の名跡を継いだ方のお兄さんである九代目福助丈。

脳血管系の病気で休業中。

いつ復帰して、あの大名跡を継承するのだろうか。


『外郎売』

歌舞伎十八番の一つ。外郎売の早口のセリフの部分は、だいたいの演劇学校の学生は滑舌の訓練の為にまず覚えさせられる。だから懐かしい。

この物語が曽我狂言というのは後々になってテレビ中継の歌舞伎を観て知った。

そうそう、亡くなった團十郎丈が外郎売をやっていて、非常に滑舌が悪くて笑えた。

滑舌の悪さのおかげで、芝居がとっても大きく見えて

この團十郎丈のすばらしさを感じた。

この手の曽我狂言は花魁がいっぱい出てくるし華やか。

だから大好き。

七之助丈の化粧坂少将。児太郎丈の虎御前はとても美しかった。

曽我ものは華やかだから大好き。

 

『口上』

総勢19名の口上は圧巻でした。こういう襲名の会でなければ見れない口上。

だから昼でなく夜にした。

芝翫丈のついこの間あったプライベートのスキャンダルをチクり。

またまた、先代の競馬好きは有名だが。そのお話がチラチラと楽しかった。

やっぱり夜の部にしてよかった。

 

『熊谷陣屋』

『一谷嫩軍機』の三段目の一場面。実際に全部鑑賞したら夜が明けそうな物語だ。

適材適所の配役だったが、吉右衛門丈の義経はイメージ的に今一つだった。

吉右衛門丈のイメージは熊谷直実役。なんか二人の直実がそこにいるようだった。

魁春丈という方は、確か大昔に“松江”を名乗っていらっしゃった方だと思うのですが、

亡き歌右衛門丈を思い出させてくれる芸風だ。

なんか、ここに至る前のストーリーをよく思い出せなくて

気分がすっきりしない。

 

『藤娘』

坂東玉三郎丈の藤娘。本日、一番の私にとっての目玉。

けれど、そういい人が多かった気がする。

いきなり、皆さまの座高が高くなった気がしますもの。

長唄は杵屋勝四郎氏率いる美声軍団。なんと弟の利光氏も脇に。素敵すぎる。

今や最高レベルにいらっしゃる、杵屋勝国氏の三味線。

私の好みとして、昼夜の長唄連中としてのグループがいくつかありますが、

最高だと思います。さすがに玉様だなぁ。

お囃子は田中社中ですが、

小鼓の脇は亡き五三吉先生のご子息。三枚目は藤舎名生氏のご子息。

見覚えのある方がご出演。知らないお囃子さんだとつまらない。

玉様に集中したいのに、お囃子に地方に目があちこち。疲れた・・・。

 

さて、今度はいつかな。

演目や役者さんで十分に検討して、なるべく良い席で観たい。

 

 

そうそう、本日は客席に高橋英樹ご夫妻がいらっしゃっていた。

なんか、プライベートなのに、十津川警部がいるかの如くでした。

仲の良いご夫婦なのですね。素敵でした。