国立劇場が出来てから五十年。
本当に幼少な頃からこの劇場に出入りしていました。
歌舞伎・演奏会、時として新劇の貸し小屋なんかもしていましたね。
わが青春。目指せ杉村春子(^^♪の時代に、文学座の公演で『オセロ』は観た覚えがあります。
あの時の主演のA氏はセリフを覚えないのが有名。ついでに、やってはいけない“モトイ”をしちゃう人でした。客席にささやくプロンプターの声は聞こえるし、もう何回もといをした?!と冷ややかな感想を持ちつつ家に帰りました。が、こんなK氏ですが文学座の重鎮の地位をずっと保っていたのは、よほど良い人だったのでしょう。・・・と思う。
この邦楽鑑賞会は土曜日からやっていました。
三日間ともに魅力的で行きたかったのですが、演奏会如きに三連休のお休み希望も出しづらいので、結局、師匠が出演する最終日のみチケットを購入しました。
邦楽といっても、ジャンルは多彩。本日は、清元・尺八・義太夫・一中節・琵琶・長唄というジャンル。今回のプログラムが一番地味かもだなぁ。
清元『青海波』
<浄瑠璃>清元清寿太夫、他 <三味線>清元三之輔、他
この曲。お囃子で習いました。が、耳にあまりにも馴染みがないので、習ったお囃子の手がスラスラ出てこなかったな。つまり、身に染みていないという事です。
しかし、清元の浄瑠璃の方は皆さま美声。素敵だなぁ。
尺八『虚空鈴慕』
<尺八>川瀬順輔
尺八はよく分からない。良い音なのですが、気が付くと船を漕いでる私がいた。
題名からして漢字が四つも並んでいると拒絶反応。
やっぱり、尺八はお琴などとの合奏で聴くのがいいなぁ。
義太夫『心中網島-大和屋の段-』
<浄瑠璃>豊竹咲太夫 <三味線>鶴澤燕三
その芝居が目に浮かぶのが不思議。
が、やっぱり義太夫は文楽のものなのですね。脳裏に浮かんでいる彼らはみんなお人形です。この芝居・・・よく知らないのですが、でも脳裏に人形の動きが浮かぶって・・・ちょいとすごいですね。
でも、やっぱり義太夫は演奏会向きではない。演奏だけだと、途中で飽きてくる。
またまた、いつの間にか意識は別世界に旅していました。
一中節『松襲』
<浄瑠璃>宇治紫文、他 <三味線>宇治紫津、他
いやいや、地味なプログラムだった。
このグループ。今一つという感想を持ったのは、あきらかに素人という人をチームに入れた事。唄とか浄瑠璃って、素人とプロの境界線がはっきり分かる。まだ、発声の基本も獲得できていない素人をこういう演奏会に並ばせるってどうかな?!と思う。
それも、超若い人なら「これからの人」と暖かな目になるけれど、私より年上の方のようですし・・・。愛嬌という訳にもいかない方でした。
琵琶『潯陽江』
<琵琶>須田誠舟
薩摩琵琶の演奏でした。語り(?)・・・唄?は何気に詩吟のような感じだった。
琵琶というと『耳なし芳一』。あのドラマに流れる琵琶の音はとても透き通っていて聞き心地が良いのですが、実際はベースみたいに弦楽器というより打楽器のような音なのですね。
この音・・・。どうも私の趣味に合わない。ダメだ。
寝ちゃいたくても、耳障りな音に眠りを妨げられる感じだった。
長唄『船弁慶』
<唄>宮田哲夫、他 <三味線>杵屋五三郎、他 <囃子>藤舎呂船、他
やっぱり長唄が良いです。
大好きな五三郎先生の音締を堪能した。傘寿を過ぎた宮田氏の美声も素晴らしい。
お囃子のお稽古で、この曲は早笛のみお稽古をついこの間していただいた。が。。。あの一回限り。たぶん、この曲は私に一生縁のない曲。。。そう思うのでした。
何か大きなお浚い会があれば別ですが。。。あっても難しいだろうな。
師匠の芸を拝見して、表現という面でとても勉強になりました。
ああ、太鼓だけでも勉強したいな・・・(涙)
来年の一月の邦楽鑑賞会のチラシがすでに出ていた。
タテ割りの『勧進帳』が超楽しみです。師匠は三番叟か(^^♪
帰りは劇場バスで新宿に出て、永福町までバスを乗り継いで、あとは電車最寄りまで行きました。
たまにはいい感じ^^
ポケモンをやりながら帰ってきましたが、やっぱり土地を変えると違う感じですね。
が、どこも“コラッタ”ばかりな気もします。