
六月・七月は歌舞伎素人を対象とした企画がある。
普通は、中学生や高校生を対象した企画ですが、本日は社会人を対象とした企画。
本当に初心者・・・・。半分は歌舞伎大好きな方々がお客様ですね。
感激後の帰り道。国立劇場から半蔵門駅の道のりの気が乱れていた。
いつもと違う。
演奏会等のお客さんというのは、その業界に接している人が多い。
生活レベルに近い国立劇場と半蔵門駅間が生活レベルの人も多い。
という事で、劇場が撥ねて帰路に着く足取りも淡々としている。
今日は、それぞれの心の高揚を感じる道のりでした。
筋立てに感動する人もいれば、
やっぱり「ねずみが大きい」と変にリアルを求める人もいる。
リアルじゃないから分かりにくい。。。。という意見を背中越しに聞いた。
しかし、今回の芝居は素人にも分かりやすく、感動を呼ぶ演目だ。
私は泣いたよ♪
が、遺伝子学的に柳の精と人間が夫婦関係になって子供が誕生するものかという疑問はありますが・・・。
この夏の企画に何回も参加していますが、今日の演目ほど感動したものはありません。
高校生の頃は、地味な忠臣蔵だったように記憶している。あの「寿司屋」の場面だったと思う。
准看護師の学校では、曽我者を感激したきがする。綺麗だった印象がある。
けっこうこの企画はリーズナブルに歌舞伎を楽しめるのですが、演目が・・・(涙)
今回も私は今一つと思ったのですが、三十三間堂に特別な感情を持つ母が「見たい」と言うので親孝行をした。しかし、実に良いお話しで感動した。
お柳を演じた中村 魁春。五代目中村松江だったころ、本当に美しくて大好きでした。
六代目の中村歌右衛門のお弟子さんで養子となった彼。本当に美しかった。
今や、歌右衛門の生き写しという感じ。芸の伝承とはすごい事ですね。
本当は、私自身もそうでなくてはならない。が、私は師匠に全然似ていない。
困ったものだ。
歌舞伎大好きな母。
幼少の頃より、私は母に手を引かれ歌舞伎見物をしたものでした。
今は逆の立場。
歌舞伎については自分だけ楽しむわけにはいかないので・・・
うちはセレブな家庭ではありません。中流の一般家庭。
母も、
「私一人で楽しんではいけない」と、頑張ってくれちゃったのだと思います。
ですから、私もがんばらねばいけないのですが。。。なかなかね。
あれも、これも行きたくても二人分となるとかなり負担。私の経済力では無理です。
もう少し仕事熱心なら良いのでしょうが、残念ながら、仕事よりお囃子の方が大事な私ですし・・・。
なんか複雑・・・。
でも、子供だましのようなこんな企画でも母が喜んでくれた。よかったです。
いやいや、今年の企画は大当たりのように思います。
今日は下手側の花道近くの席たぜったのですが、
なんか、この席は御簾の音が非常にうるさく感じた。
長唄の人も、お囃子さんも
心を込めて仕事をしていますか?と思いました。
耳障りなのはいい加減だから。
たぶん、御簾から離れていれば気にならないと思うのですがね。
御簾内の音がとても気に障った。
唄が・・・。もっとまじめに唄ってほしい。「分からない」を前提にひどすぎでした。
が、ひどいBGMを超えて、役者さんの演技が超えていてよかったです。
とっちも酷かったら最悪。国立の夏の企画はそれがあるから冒険という事もありますね。
しかし、今日ほど御簾から聞こえる長唄の耳障りはなかったです。
花金だったから?まじめに仕事をしてください。
涙涙の物語なのに、私の涙腺の蛇口を絞めてくれたのは長唄さん。それでも、涙はこぼれましたが・・・。いやいや、もっと涙でしょ。感動を半減したのは長唄さん。
元役者として言いますが、BGMの癖して芝居を壊すのはいかがなものかと思います。
たかがBGMでも物語の一部なんですよ。そういう意識をもってもらいたい。
良いお芝居だったし、役者も揃っていた。それなのに黒御簾が壊したというお芝居でした。
リーズナブルな企画というと難しいですね。