紀尾井ホールに行く | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

超久しぶりの紀尾井ホールでした。
本日は杵家会という杵家派一門の演奏会に行きました。
全八曲のプログラムでしたが、帰宅が遅くなりそうだったので、幕開きから六曲を拝聴して帰りました。
自分が年を重ねたという事でしょうか。
私は、この会を子どもの頃から知っているのですが、
「御歳を召された方が多い」という印象の会だったのですが、
どうしてか、すっかりさまがわり。若手の方々ばかりがご出演でびっくりでした。
長唄というと、若手には敷居の高いジャンルの音楽で、衰退の道を辿るばかりのものと思っていましたが、
杵勝会といい、この杵家会といい、流派を支えるメンバーに若手が沢山いるという事はとても良い事だと思います。

『竹生島』・『鳥羽絵』・『新曲浦島』・『俄獅子』・『松の翁』・『楠公』を拝聴。
『竹生島』はのりが非常に難しい曲なのだそうです。その理由の一つにお囃子がほとんど本業通りの手がついているからなのだそうです。そうそう、お能から来たお囃子の手を「トッタン拍子」と言いますが、この曲を勉強するとほとんどのトッタンの単語を制覇できる気がします。
確かに、、、この曲、、、難しい記憶があります。唄も三味線もお囃子も。ただ、演奏するのは難しいですが、お囃子はトッタン拍子なので非常に覚えやすい。
『鳥羽絵』とか『俄獅子』は本当に唄が難しいと思う。長唄なのでくだけすぎてもいけないと思いますが、まじめすぎてもちっとも面白くない。
そうそう、『俄獅子』は『相生獅子』のパロディーだったのですね。ふむふむ、また一つ知識が増えました。
また、『俄獅子』の狂いの合方はのちのちのチンチリレンなどの繋ぎの合方に素となったそうです。へえ~♪
幕開き前にお家元が客席に出てきて、色々と解説。大変勉強になりました。
『松の翁』のタテ唄の方はとても綺麗な声の方だった。あんな声で唄えたらいいのになぁ。しかし、お囃子が入っていなかったのが残念でした。たぶん、お囃子が入っていた方が更に格調アップしたように思います。
『楠公』は泣ける長唄の一つですが、泣けるというよりパワフルに圧倒の演奏だった。タテ三味線の方は本当によく手の回る方ですね。私が小学校五年で『末広狩』で初舞台を踏んだ時に、この方は高校生くらいで『五条橋』だったかな?けっこうな大曲を演奏されていた事を覚えています。私はのらりくらりと不真面目。彼女は一生懸命に長唄をはじめとした三味線をライフワークとして頑張られた。その差ですね。

さて、この時期の紀尾井ホールは超乾燥するんですよね。客席もカラカラ状態でした。
小鼓を打たれた方々。みなさん苦労されているように見えた。
堅田喜三久氏。確か今年の九月に喜寿を迎えられたように思う。でも、そんな事を感じさせない芸の輝きでした。
小鼓にとって感想は大敵であるのに、乾燥なんかに負けない熟年の芸を見せつけられ、神業というしか他にない感じです。
お囃子の世界もどんどん新旧の世代の交代ですね。二十年前、若手後半のお囃子さんだったあの方のご子息が本日ご出演だった。お父様そっくり♪これからが楽しみですね。
はあ、大好きな小鼓。
一歩でも頂点に近づけるように・・・なんて、大それた事を思って、
いつもより小鼓のお稽古に力が入ってしまいました。



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四谷もすっかり紅葉です。
やや多忙につき、ゆっくり紅葉狩りができなくて残念。
でも、こうしてプチ紅葉狩り。楽しい♪