
『四季の花里』の歌詞にもある“笹の雪”。
笹の雪は何を隠そう根岸の老舗であるお豆腐屋さんの名前です。元禄の頃から続くお豆腐屋さんで今も根岸にあるお店屋さんです。
お豆腐(・・・ここのお店では“豆富”というそうですが)には、絹ごしと木綿と二種類ありますよね。
絹ごしを発明したのがここの初代の店主だそうです。
初代は玉屋忠兵衛という人は、先日の記事に出てきた後西天皇の第六皇子公弁法親王が江戸にいらした際に一緒にお供として京から江戸に移って来たのだそうです。
忠兵衛さんの作ったお豆腐を召し上がった宮様が
「笹の上に積もりし雪の如き美しさよ」
と賞賛したことから、店の名前が“笹の雪”となったのだそうです。
ここのお店も赤穂浪士に関連したお店なのだそすうです。
忠兵衛さんにはお静という娘がおりました。赤穂浪士の磯貝十郎左衛門に偶然出会い、お静は彼に思いを寄せていたのだそうです。
お静の片思いだったのか、はたまた両思いの悲恋なのか分からないのですが、
討ち入り後、十郎左衛門が預けられた細川家に、公弁法親王を通して笹の雪からたくさんのお豆腐が差し入れられたという逸話があるのだそうです。
根岸の勘五郎氏も「根岸といえば」という中にこのお店を上げていますが、
歌人である正岡子規もこのお店を深く愛した人物だそうです。
お店の前の碑は正岡子規の碑なのだそうですよ。
・蕣に朝商ひす笹の雪
・水無月や根岸涼しき笹の雪
と歌を残しています。
十一月に入って、なんかいきなり寒くなった気がします。
寒い夜に、フーフーしなが熱い熱い湯豆腐♪いいですね。
“笹の雪”って何かしら?なんて調べていて、思わず美味しそうな豆腐に出会いました。
スーパーで売っているお豆腐は今一。美味しい美味しいお豆腐が急に食べたくなっちゃいました。