中年の危機 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

とある長唄の若い演奏家さんが亡くなったという記事を読んだ。
あちらこちらの演奏会などで、何度も彼の演奏を拝聴している。ということでけっこう売れっ子の演奏家さんだ。
先日の辛口の歌舞伎鑑賞の記事を書きましたが、
『鏡獅子』の地方にも出演されていた。
まあ、全体的には本当にちょっとね・・・の演奏だったけれど、、、、
大薩摩で三枚目の演奏を聴いて、「やっとまともな演奏を聴けた」と思ったんですよね。三枚目はほんのちょっとしか弾かせてもらえないのだけれど、そのほんの一寸が本当にキラキラ星だった。
それが、この亡くなった演奏家さんだった。あれが私にとって最後で、もうあの方の演奏は聴けないのですね。

享年四十歳だったとか。若い旅立ちですね。
人づてに聞いた話では脳梗塞だったらしい。一人暮らしで発見が遅れたとか・・・。
比較的救命率のよい病気でも、発見が遅れたり、部位によっては難しいのでしょうね。
それにしても若い旅立ち。
でも、この方は前厄とか厄年とかそういう年頃なんですね。
邦楽の世界は三十代・四十代でも「若手」という感覚がある。でも、アラフォーの年代は一般的には壮年期移行の年頃。身体的にも精神的にも色々と問題が起こりやすい年代とされている。
心理学的に、四十代前後の発達段階(ライフサイクル)において起こると言われているのが『中年の危機』。
青年期に私たちは「自分とは何か」とアイデンティティを構築する。そのアイデンティティに基づいて人生設計をして成人期に入っていく。
アラフォーの年代になると、身体的にも若い頃と変わってくるし、家族内での役割も変わってくるだろうし、職場的立場も変わってくるだろうし・・・様々な変化が生じる。そこでアイデンティティの再構築が行われる時期なんですね。
こういう変化の年頃というのは、身体的にも精神的にも色々な病気になりやすい。
ちょうど男性の厄年が、この『中年の危機』に引っかかる。確かにこの年頃の男性って色々な不調を訴える人が多い気がする。
アラフォーを迎えたら、
「若い時代と違って無理がきかない」という自覚が必要ですね。
「芸人は体が資本」とよく言いますが、体が資本なのはすべての人に言える事だと思います。
ただ、芸人さんには有給とか病気休暇という保障がないから、
「身体が資本」というのでしょうけれど、この不景気な世の中。我々サラリーマンもうかうかと病気なんてなれません。
うちの職場は、風邪をはじめとした健康上の理由で欠勤した時、
有給を使わせてはくれません。欠勤で、しっかりその月のお給料から欠勤分を引かれてしまいます。
普段から有給もなかなか使わせてくれないし・・・
有給を使うとボーナスの査定に響くし・・・
結局、たまった有給はごみ箱行き。
有給なんて言う制度、あってないような制度。あるから「この病院は有給を使わせてくれない」という文句になるのですから、いっその事有給なんていう制度をなくしてしまえばよいのにと思います。(はっ!話がそれた)
有給は別として、今の世の中、健康上の理由でリストラというのも珍しいことではありません。
安心して病気になれるのは公務員くらいでしょう。
それに、脳血管障害のように後遺症の残りやすい病気は、もとの仕事につけるか問題ですしね。
口で言うのは簡単で、なかなか無理をしないというのは難しいことですが、
せめて完全な休養日を一週間に一度はどこか確保することが大切かもですね。
健康第一です。

さて、亡くなられた演奏家さん。
今まで素敵な演奏を聴かせて下さってありがとうございます。
これからが楽しみだったのに・・・残念です。
ご冥福をお祈り申し上げます。合掌。