梅雨に入り、傘を持ちながら読書するのが手間ですね~。
門井慶喜/注文の多い美術館

舌で美術品の真贋が分かるコンサルタントと、
芸大准教授で、知識と探究心はピカイチだけど、ヘタレで女難の主人公が
色々持ち込まれる「いわれのある」美術品の真の来歴を探るお話です。
シリーズものですが、これだけ読んでも問題ありません。
普段、綺麗だな、とか素敵、程度のお付き合いしかない
美術品ですが、彼らの蘊蓄を読んでいると、
美だけでない違う価値が見えてきて面白いです。
どんな作品でも、作者は何らかの意図を持って描いていて、
その意図には、主観のみならず、歴史や宗教などの背景が絡んでいるんだなぁと
実感しながら、楽しく読ませてもらいました。
シリーズが進むうちに段々、主人公がヘタレキャラ化していて、
コメディ要素が強くなっていくのも、通勤中読書にはありがたい点です。
この作者さんは、本や美術品、歴史についての博識ぶりを
自著のなかで蘊蓄として登場人物に語らせてくれるので、
読むのがいつも楽しみです。
次はどの分野かな~
