昨年から今年にかけて、所蔵していた500冊近くの本を古本買取に出した。

 

古本屋やブックオフまで持っていくのが手間なので、ネットで見つけた「宅配買取」サービスを利用し、自宅まで本を取りに来てもらっていた。

 

買取に出した本には、もちろん聴覚障害に関係した本も含まれる。

かなり前に聴覚障害について学び直す目的で買った本だが、聴覚障害者の心理や言語能力、残存聴力をいかに活用するか、手話エッセイなど、硬めの本が中心。

研究者や障害児教育に関心のある方しか読まれなさそうな本ばかりだ。

 

そのような本は大型書店の一角にぽつんと置かれていることが多く、市場ではほとんど流通していない。

それ位需要がないので、5円でも値段がつけば御の字と思い、買取に出してみた。

だが、査定の結果はすべて「買取不可」だった。当然ながら市場価値も低い。

 

ちなみに、同じ障害でも、発達障害に関係した本は需要がとても高い。

これまでにハードカバーや新書を数冊買取に出したが、どの本も100円単位で値段がついた。

発達障害者当事者が発信する情報量は聴覚障害者当事者が発信するそれとは比べ物にならない位多いことが、発達障害に関係した本の市場価値を高めているのだと推察する。

 

聴覚障害に関係した本の市場価値を高めるためには、当事者が発信する情報量を増やすしかないのは言わずもがなであるが、幅広く教養を身につけ、話題の引き出しを増やしていくことが求められていると思う。