岩科学校 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

松崎では 岩科学校も行ってきました。

ここは 長八美術館とセットで入場券を購入すると割引になります。

 

 

 

今年は 全国の小学校で創立150周年を迎える所が多く 私の卒業した小学校もそうでしたが これは 1872年には学制が交付され 性別に関係なく 全ての国民に教育を受けさせるという《国民皆学》が普及したことによるものです。

伊豆松崎でも 《中央の文化に遅れるな》と天然寺の境内に 当時の松崎村戸長の佐藤源吉が資材を投げうって岩科学校を作りました。

 

 

 

岩科学校は 国の重要文化財に指定されていますが この頃は 和洋折衷の校舎が建てられることが多く 松本の国宝 開智学校と姉妹館になっています。

 

 

 

 

岩科学校の校舎は 松崎の伝統文化であるなまこ壁や 洋風の形式を取り入れています。

 

 

 

 

玄関上の学校名が書かれた扁額は 当時に太政大臣(現在の総理大臣)三条実美が書いたもの その上の龍の装飾は 鏝絵の入江長八作

 

 

 

余談になりますが 私の母校の中学校の正門にある校名も 直ぐ近くに住んでいた 元総理 吉田茂さんが書いた文字です。

 

 

 

 

間取り図の左側中央の玄関は 教職員や来客用のもの。

児童たちの昇降口は 玄関左右の土間部分 右側が男子 左側が女子と男女分かれていたそうで 当時の時代背景が解りますね。

 

 

 

玄関を入るとすぐの部屋は 校長室。

立派な校長先生がいらっしゃいます。

この部屋で 受付の方が 館内の概要をお話してくれるのですが 見学最後に卒業試験があるので この話 よ~~く聞いておいてくださいね。

 

 

 

校長室隣の資料室では 当時の教科書などが展示されています。

 

 

 

 

 

受け付の左奥には おづかい室が再現されています。

 

 

 

館内中央にある傾斜60度の急な階段を昇って2階へ。

この階段 手をつきながら昇りましたが 踏板の幅も狭く 落ちたら下まで真っ逆さま 降りるのは危険極まりない階段です。

よく小学校で こんな階段を作ったな~~~。

バルコニー側に 傾斜が緩い階段があるので 見学者は下りる時にはこちらを使う様にとのことでした。

 

 

 

2階の和室 裁縫室の装飾は目を見張る素晴らしさ

窓の上の壁には 長八の弦の鏝絵が部屋全体にあしらわれていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルコニー天井の装飾も贅沢なもの

 

 

 

 

1階に下り 玄関右側の部屋へ。

窓から立派な松の木を見ながら

 

 

 

かつてこの辺りで使われていた道具を見ながら 教室へ。

 

 

 

 

教室中央の机に置かれているのは 卒業試験。

入館した時 校長室で聞いた館内説明にあった話(学校の創立者 当時の建築費用等)の中から 三択で5問の問題が出されます。

 

 

 

答案用紙は 受付で採点してもらい 60点以上取れれば 卒業証書をいただけ 校庭内にある開化亭で5%割引で お土産を買ったり お茶がいただけます。

ちなみに 試験結果は 100点 ハナマルと《たいへんよくできました》のスタンプをいただき 卒業証書も授与されました。

 

 

 

せっかくなので 卒業証書を持って かつて村役場だった開化亭へ。

 

 

 

 

さくら葉餅とお茶をいただいてきました。

 

 

 

そうそう校舎の2階の窓から 隣に立派な屋根が見えましたが

 

 

 

ここは 庭に岩科学校が建てられた浄土宗 岩科山 天然寺でした。

 

 

 

こじんまりしたお寺ですが お庭には 巨大なソテツの木

 

 

 

屋根の上の抱き茗荷の寺紋瓦が落ちちゃってるのは ご愛敬。

 

 

 

本堂の屋根の下では カッコイイ獅子がにらみを効かせる静かでよいお寺さんでした。