甘草屋敷 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

今日は 昨日ご紹介した桃源郷の雛飾りが開催されている《旧高野家住宅 甘草屋敷》をご紹介します。

 

山梨県甲州市塩山にある高野家は 八代将軍吉宗の時代に 漢方薬などに使われる薬用植物の甘草(カンゾウ)を栽培して幕府に納めていたことから《甘草屋敷》と呼ばれるようになり 平成5年に市に寄贈された後 8年をかけて再生され 《薬草の花咲く歴史の公園》として 公開されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

甘草は甘味料や調味用として使われる他 薬用としても用いられる生薬で 現在も主屋の前の畑で栽培されています。

 

 

 

画像は 甲州市のHPからお借りしました。

 

 

           

甘草の花(パンフレットからお借りしました)

 

 

 

昭和28年に重要文化財に指定された主屋は 切り妻造りの茅葺屋根(現在は銅葺)中央の2段の屋根が特徴的です。 

 

 

 

 

主屋内の様子は 雛飾りばかり写真を撮っていたので 詳細を撮れなかったのですが

 

 

 

1階から3階に続く大黒柱の立派な事っびっくり!!

画像をネットからお借りしました

 

1階

 

 

 

2階

ちなみに 2階には当時の生活用具などが展示されているそうですが 私が行った時は 2階にあがる階段にもお雛様が展示されていて 見ることができず 残念でしたえーん

 

 

 

3階

 

  

 

 

主屋以外の建物も 平成8年に重要文化財に指定されています。

 

主屋の左側には 坪庭に続く薬医門型の座敷門

薬医門は 矢の攻撃を食い止める《矢食い(やぐい)》から来ているそうですが かつて扉を閉めても常に患者が出入りできるように脇に木戸を付け 医者の門として使われたからとも言われています。

薬の原料を作る屋敷ということにも関連しているのでしょうかね・・・はてなマーク
 

 

 

 

座敷門の画像は 甲州市のHPからお借りしました

 

 

 

主屋の右前にあるのが巽蔵

 

 

 

 

画像は 甲州市のHPからお借りしました。

 

 

 

巽蔵の中の半分は 甘草の資料室があり 生薬となった甘草が展示され

 

 

 

もう半分は 樋口一葉の資料室。

一葉は 山梨県には1度も行ったことが無いそうですが 両親が甲州市塩山の生まれで 一葉はこの辺りを題材に小説を書いていることから 資料室が作られたとのこと。

 

 

 

 

巽蔵の隣にある長屋が特産品販売所になっていて こんなお土産を買ってきました。

 

 

 

これは 普段から 一方ならぬお世話になっている湘南キャンディーズの花月さんとくらちさんへの裏金お土産にさせていただきましたてへぺろ

このおせんべ 甘草入りだそうですが 甘味料として使われているのでしょうかね。

私も食べてみましたが 甘みがしつこくなく 美味しかったですよチョキ

 

 

 

長屋の隣には 古い農具が展示された馬屋があります

 

 

 

 

 

 

 

唐箕(とうみ)

臼などで 殻をはずしたあと 風力を起こし 籾殻 玄米 塵に選別するための農具です

上部の漏斗から籾殻を入れ 裏側にある4枚羽のついた車輪状のものをハンドルで回し 風を送ると 右下の開口部から重い籾粒だけが落ちてきます。

よく考えて作ったね~~ビックリマーク

 

 

 

新國光號(号) 足踏み脱穀機 14枚桟

 

 

 

かつては フォークの様な千歯扱(せんばこぎ)で脱穀をしていましたが 大正時代にこの足踏み脱穀機が開発され 戦後は 動力脱穀機 現在ではコンバインを使うようになりました。

 

 

 

縄ない機

右側の↓↑部分の漏斗状の二つの口から藁を差し込み 下の部分の足踏み板を踏むと 中央の丸いドラムが回転し 縄をないながら 同時に縄を巻き取る画期的な道具でした。

この機械ができてからは 藁を打たなくても縄がなえたそうです。

 

 

 

 

背負い子(しょいこ)

かの有名な二宮金次郎さんが 山から薪を背負って歩いた道具ですよね。

 

 

 

田打ち車

 

 

 

 

土入れ鍬(くわ)

 

 

 

担い桶(にないおけ)

水や糞尿を入れて 天秤棒で担いで運ぶ桶。

昔 祖父も 肥(こえ)を入れて担ぎ 畑に撒いていたのを覚えています。

当時 おじいちゃんは 肥桶って呼んでいました。

 

 

 

主屋の右側には 裏庭へ続く裏門

 

 

 

 

裏門の右側には 東門

敷地の東側を通る街道に出られる門です。

 

 

 

裏門をくぐると 左側の主屋の裏には 枝垂桜が満開でした。

桜の奥に見えるのは 土蔵です。

 

 

 

桜の正面には 農産物を乾燥させる地実棚(じみだな)

自給自足の必需品で 南側の屋根は短く造られ 2階の奥まで日差しが届くよう工夫されています。

東山梨地方では 地実棚で干したかち栗のことを《ジミックリ》呼ぶそうです

 

 

 

 

 

 

裏門をくぐって右へ進むと 2棟の建物が見えてきます。

 

 

 

手前の建物の横には つるべ井戸。

 

 

 

犬

 

 

手前の建物は 文庫蔵

絵本が沢山揃えられていて 縁側でお話会も開かれます

画像は 甲州市のHPからお借りしました

 

 

 

 

この日もお話会が開かれたらしく 文庫の前庭では 歩き始めて間もない かわいい子たちが遊んでいました。

田舎のおばあちゃんちの縁側の様な場所で 絵本の読み聞かせがあったり 古民家の庭で遊べる環境で子育てできるのは とても恵まれていますね。

 

 

 

そして文庫蔵の裏にある小屋は 雛御殿が展示されていた場所

 

 

 

 

 

入り口の土間の上では 茅葺屋根の骨組みが見られます。

 

 

 

 

江戸時代の豪農の暮らしが垣間見られる旧高野家住宅(甘草屋敷)の詳細は 下記の歴史旅専門サイトと 甲州市のHPをご覧ください。

一見の価値ありの文化財です。