中津箒のその後 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

 

一昨日の朝日新聞の神奈川版に掲載されていた 愛川町で作られる昔ながらの中津箒の記事

 

 

 

実は 中津箒が復活し 若い方の手により作られるようになったと聞いた10年前 愛川町に見に行ってきました。

 

 

 

 

あれから10年が経ち その後どうなっているかと気になっていた所に 再び新聞記事を目にしました。

その後の中津箒は 20代から40代までの若い作り手さんも増え 2019年にはイッセイミヤケの目に留まり 中津箒と一緒にホウキモロコシで作った帽子がパリで発表されたり ホウキモロコシを編んだ持ち手のバックや ホウキモロコシで草木染をしたストールなども発売されたそうです。

 

 

実用的な道具として箒が登場したのは平安時代。

宮中で年末に1年の煤を掃う道具として使われたそうです。

鎌倉時代になると禅宗の修行の一つとして掃き掃除に使われ 室町時代には職業としての箒売りが登場 一般に箒が広まっていきました。

 

 

それ以前の箒は 実用的な道具としてよりも祭祀道具や神聖なものとして お祓いの意味を持ち 箒神(ははきがみ)という産神(うぐがみ)(出産にまつわる神様)が宿ると言われていたいたことから 現在 中津箒では 筒型の魔除けや 妊婦さんのおなかを撫でる《安産箒》も作られるようになったそうです。

 

こちらは中津箒で作られている安産箒

 



箒は神聖なものということから 様々な迷信も生まれています。

 

例えば 《長居してほしくないお客や 招かざるお客に早く帰って欲しい時に 箒に手ぬぐいでほっかむりをさせて 来客のいる鵜部屋の前に建てておくと良い》という言い伝えがありますが これは 箒にはものを掃き出すという意味があることから生まれた言い伝えです。

同じ理由から《玄関先に箒を置いていると 人が寄り付かない家になる》なんていうことも言われているそうな・・・😖 

 

 

この他にも 箒にまつわるこんな迷信も残っています。

 

をまたぐと 背が伸びない

  元々箒は床に放っておくものではないので あるべき所に片付けて

  整理整頓を心掛けなさいと言う意味

 

で叩かれた人は 3年は生きられないオダブツ

  箒は人を叩くものではないという意味

 

お店の前を箒で掃く時には 外に向かって掃いてはいけない

  正面玄関は 幸運四つ葉のクローバーが入ってくる所 裏口は邪悪な運気Uが出て行く所

  なので 箒で掃く時には 正面玄関から裏口に向かって掃くと 運気を

  引き寄せる

 

魔法使いのおばあさんが箒に乗っているのも 箒に呪力があるからとも言われているそうですよ。

 


話がそれてしまいましたが 中津箒の話に戻りましょう。
10年前に中津箒を見に行った時に買ってきたミニ箒は とても丈夫で長持ちし 現在もコーヒーミルの掃除に重宝しています。

 


 

 

その後 どこかのお土産か和雑貨屋さんで買った左側の箒も作業机の掃除に使っていますが 多分こちらは海外産で毛足が柔らかですが ボソボソとモロコシが抜け落ちてしまうことが多く 改めて中津箒の丈夫さと使いやすさを実感しています。

 

 

 

 

そうそう こちらは中津井箒ではありませんが 実家にある座敷箒と棕櫚箒です。

 

 

 

子供の頃 箒を担いでやって来た箒売りのおじさんから買ったものですが 柄の部分に買った日付が書かれています。

昭和46年8月26日 50年以上前に買った箒です。

 

 

 

箒売りのおじさんと母とのやり取りを見ていて 子供心に箒ってっこんなに高いの・・・?と思った記憶が残っています。

その後掃除機も買い 箒の出番は減ったため いまだに現役で使える箒ですが 昔の良い道具は 大事に使えば長持ちをするということですね。

 

 

夏の旅行で遠くに旅に出るのも楽しいですが 近場で日本の伝統工芸を見に行くもの良さそうですね。

中津箒を扱う《まちつくり山上》の情報は 下記を参考にしてくださいね。

 

 

 

 

また まちつくり山上のすぐ近くには 国登録有形文化財に指定されている 明治16年(1883年)建築の豪農熊坂半兵衛の居宅 古民家山十邸もあり 一般公開されています。

 

 

こちらも10年前に見に行ってきました。

 

 

風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

 

 

 

 

 

 

 

 

この時は お雛様の展示を見に行ったのですが 四季折々の催し物の他 最近ではコスプレイベントなども開催されているようです。

 

 
 
中津箒と一緒に 山十邸の見学もお勧めです。