新入り古布と選び方 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

度々ヤフオクで古布の出品をチェックしていますが 何日も目に留まる古布が無い時と 1日に何枚も欲しい古布が見つかる時があります。

もちろん 欲しい古布でも 入札者が多く 予算オーバーで手に入らない古布も多いんですが このところ お手頃価格で落札で来たものが 何枚か届いています。

 

まずは とても可愛い 紫の地色に カラフルな酢漿草(かたばみ)が描かれた錦紗。

これは 出品者さんが着物をほどき 何回かに分けて出品しているようで 最初に出品されていた時には 手が出ない価格になりましたが 2回目の出品で 無事我が家へやって来てくれました。

 

 

 

 

葉っぱの間に咲いているのは酢漿草の花ですね。

ちりばめられた三つ葉の間に ほんの数枚 四つ葉描かれたりしたら もっと楽しい布になっただろうねニコニコ

 

 

 

こちらは シックな色合いで インパクトがある天正大判の縮緬

 

 

 

天正大判は 天正16年(1588年)以降に 豊臣秀吉が 代々室町幕府に仕えた彫金師 後藤家の5代目 徳乗(とくじょう)に命じ 鋳造させた楕円型の大判の最古のものだそうです。

描かれている大判は とても大きく  縦36cm 横20cm 実際の大判は 縦15・4cm 横10・2cmだそうで 絵の4分の1ほどの大きさ(手のひら大)ですが 現存する金貨の中では 世界最大とのこと。

たしか何でも鑑定団で見たことがあるような・・・

現存する本物は 一千万円を超えるものもあるのだとか・・・ショック!

 

 

 

重なり合って2つの大判が描かれていますが これは大判の表と裏のようです。

 

 

 

こちらが表側

墨書きされている文字は 《拾両後藤》 一番下の文字のようなものは 署名の代わりに使われる記号の花押だそうです。

白く描かれている紋は 刻印されている桐紋です。

 

 

 

こちらは 多分 裏側を描いたもの

 

 

 

桐文と天正の文字は読み取れますが

 

 

 

 

隠れていて 読み取れない文字

 

 

 

大判の中の茶系の模様や地色の鼠色は 作品作りに重宝しそうな色だけど この立派な絵柄を 小さく切り刻んでしまうのはもったいないな~~。

2組描かれている模様のうち 1組は小穴が開いているから 穴あきの方だけ材料に きれいに残っている方は コレクション用にしようかね。

 

 

 

ちなみにこの縮緬 長い間しまい込まれていたようで かなり埃っぽ臭いがしました。

お洒落着用の洗剤で手洗いして 柔軟仕上げ剤をかけたら 見事に復活。

小穴1つ以外は傷みも無く 掘り出し物の布でした。

 

 

そしてもう1枚は 藍の型染め布団皮

 

 

 

模様は 鳳凰みたいな唐草と

 

 

 

 

多分 唐花

 

 

 

使い込まれて いい具合にこなれた色になっている布だけど 古布に興味のない方が見たら ただの色褪せた汚い布に見えるだろうね。

布団から綿を取り出したままの出品だったため 裏側全体に 薄汚れた綿のカスがこびりつき 埃っぽい臭いもきつかったので コロコロクリーナで 綿カスをとってから洗ったら きれいな布に蘇りました。

年季が入った布ですが 布団に使われていたのに 茶色いシミなどの汚れや すれて薄くなっている個所も無い しっかり布力がある1枚でした。

 

 

骨董市や古布屋さんで きれいに洗ってアイロンをかけた古布を見かけるけれど これは手をかけてある分 価格は高め。

無造作に置かれている薄汚れた感のある布は 価格も抑えめで 手をかければ見違えるほどきれいになるものがあるので 手に取って布力や汚れ具合を見極めて購入するとお買い得。

 

藍染古布を買う時のもう1つの注意点。

一見しっかり厚手の布と思っても 洗濯糊でがちがちに固めてる布があります。

こういう布は 水を通すと 裏が透けるくらい弱い布のことがあるので 選ぶ時には しっかり触ってよく見ることが必要です。