古布の中で豪華な柄の一つに 鳳凰が描かれている物のがあります。
今回我が家へやって来た 鳳凰柄の錦紗をご紹介する前に 少し鳳凰についてお勉強
。
鳳凰は 中国神話に登場する伝説の鳥で 霊鳥・雲鳥・狂鳥・夢鳥などとも呼ばれます。
モデルとなった鳥は ニワトリやキンケイです。
キンケインの実物 息子たちが小さかった頃行った 松本市の公園で飼育されているのを見たことがありますが 目の覚めるように鮮やかさできれいな鳥でした。
(画像はお借りしました)
ニワトリ
キンケイ
中国や日本で 様々なものに描かれる鳳凰は 五色で絢爛な色彩 羽は孔雀のような五色の紋という共通点があるようですが それぞれの国で姿形が少し違うようです。
中国 日本
背丈 12尺～２５尺(１尺＝30.3㎝) ４～５尺
頭 キンケイ ニワトリ
くちばし オウム ニワトリ 鴛鴦(おしどり)
頭 龍
蛇
顎 ツバメ
額 コウノトリ
胴体 前は雄鶏 後はキリン 前はキリン 後は鹿 背中は亀
尾 孔雀 魚
足 鶴
翼 ツバメ
日本における鳳凰は 枕草子の中にある伝説にちなみ 桐の箪笥に彫刻した鳳凰模様が流行し 様々なものにデザインされるようになりました。
身近な所では 紙幣 硬貨 切手 お神輿の屋根の上の装飾や 寺院や神社の屋根の装飾 欄間の彫刻などがあり 気づかないうちに目にしていることが多ですね。
こちらは 現行の１万円札の裏側に使われている 京都 宇治にある平等院鳳凰堂の鳳凰です。
この他にも鳳凰は 今はすっかり姿を消した宮型霊柩車の屋根飾り 高級車 トヨタセンチュリーのエンブレムなどにも使われています。
そういえば ポケモンにもホウオウっていうキャラクターがいましたよね
前置きが長くなってしまいましたが 古布にも 綿や絹の物を問わず 鳳凰のデザインが施されている物があります。
寺院などで使われる敷物や 狂言の衣装の金襴の布や 筒描きの布団皮や油単。
(画像はお借りしました)
私の手持ちの布の中にも 鳳凰が描かれた物が何種類かあります。
縮緬の付け下げの裾模様部分に 四季の花や貝桶と一緒に描かれた鳳凰です。
ふっくらとした可愛いお顔の鳳凰は 頭や嘴が鸚鵡の様で 中国系・・
和楽器と一緒に描かれたパステルカラーの鳳凰は 赤い地色の上に華やかに描かれていますが
大きな羽や長い尾を広げたこの鳳凰は顔が無く 宝尽くしの隠れ蓑のような姿です。
四季の花に囲まれた扇子に描かれた鳳凰
松葉がちりばめられた紋縮緬に描かれているのは 超イケメンと美女の鳳凰カップル
こちらの紫系の顔の鳳凰が雄♂でしょうかね～～
そして今回仲間入りしたのが とても色鮮やかな錦紗です。
一緒に描かれている花は 菊と
可愛い系の桐の花
羽を広げ 長い尾を舞わせて飛ぶ姿は とっても鮮やかで優雅です。
皆さんのお気に入りの鳳凰は どの布かしら・・・
霊鳥と呼ばれる鳳凰のパワーを頂き 素敵な事が起これば良いのだけれど 私の所にやって来た鳳凰は 果たして夢鳥か 狂鳥か・・・