ず~っと欲しいと思い続けていた雛道具の一つが 我が家にやってきました。
蒔絵の楠玉掛(くすだまかけ)です。
箱に貼られたラベルの 《鳥居形》のような最初の文字 何て読むんでしょうかね・・・
追記:「合併」などに使われる「并:同じように肩を並べてひっかけたさま」ではないかと
教えていただきました。
これで納得。
ブログの終わりの方に書いた 板状の飾りの付け方を表しているようです。
蓋はスライド式です。
箱の上部には《楠玉掛》と 《る五十二号》の文字
箱の裏には 《みね子》の名前
楠玉は 布製で長い房が垂れた玉の飾り物のこと。
不浄を払い 邪気を避ける力があると言われ お雛様や五月のお節句時に 親族が贈るものの一つとされているようです。
今回のくす玉は 《楠玉》の漢字が当てられていますが この他にも 《薬玉》 《久寿玉》の字が使われます。
元々 薬玉は 香料や薬草を袋に詰めて その袋を造花などで飾り 五色の糸()を垂らしたものです。
薬玉に使われる 《薬》の文字は 薬草を使ったことから来ているんですね。
中国で これを魔除けとして 端午の節句に使われていたのが 日本に伝わりました。
日本の端午の節句では 菖蒲や蓬(よもぎ)などの薬草を編み込んで 玉の形にし 魔よけとなる五色の糸で装飾し 部屋に吊るしたり 身につけて 無病息災を祈りました。
その薬玉の装飾性が高いものが 雛道具の一つとして使われるようになったと思われます。
五色の糸とは・・・
青=木・東・春・仁を意味する (緑で代用可)
赤=火・南・夏・礼を意味する
黄=土・中央・土用・信を意味する
白=金・西・秋・義を意味する
黒=水・北・冬・智を意味する (紫で代用可)
《久寿玉》の文字は お祝いごとに使われる時に用いる文字だそうです。
ちなみに イベントに使われる パカ~~っと割れて 中から紙吹雪や 紙テープが出てくるものは 《割り玉》と呼ばれます。
さてさて 箱から出てきた楠玉はこちら。
五色の糸に使われた絹糸も ほとんど傷みがなく それなりの時代がありそうな雛道具にしては とても良い状態です。
両脇についている 板状の飾りと 上部の扇は 取り外しができます。
板には 松 梅 鶴などの おめでたい絵が描かれています。
扇には なんと立ち雛の絵。
つまみ細工で作られた 球体の花飾りは 500円玉大。
花飾りには 汚れや傷みがなく ベストの保存状態でした。
コレクションの雛道具の中でも この楠玉掛は 上位ランクのお宝に殿堂入りが決まりました
そして 只今 狙いを定めている 超レアな雛道具があるのですが 果たして 落札できるかどうか・・・。