衣装体験の概要

体験日:2018年5月27日

時間:11時30分から13時30分

女人舞楽原笙会さんの五常楽

体験料金:4000円(税込)

ウィッグ追加料金:1000円(税込)

メイク追加料金:5000円(税込)

衣装の内容について

奈良時代の舞楽衣装としての姿。

小袖:白色

裙:白色

衣:朱鷺色

上衣:桜色

実際に衣装を着付けられて

2018年5月27日、この日は2018年5月の京都府と兵庫県への旅行での衣装体験として女人舞楽原笙会さんにて各種の舞楽装束の衣装体験をしてまいりました。 私は通常の場合ではおひとり様での衣装体験をする事が多かったのですが、この時には友人と一緒に訪問をする事のなりました。
 
女人舞楽原笙会さんは女性による舞楽の公演をされている事で有名な流派ではありますが、その教室では予約制ではありますが一般の方向けに舞楽の衣装体験をされていて衣装体験の面で言えば舞楽の衣装が有名になっています。 この時の訪問では舞楽の衣装と奈良時代の衣装の衣装体験をさせて頂く事になりました。 教室はマンションの一室になっていて訪問時には詳細の住所も教えて下さります。

 

 

教室に到着するとスタッフの方に案内されて衣装の確認がされる事になりました。 この時の衣装体験の内容としては五常楽と柳花苑の衣装になります。 柳花苑の衣装は2回目の体験ですが衣装その物としては奈良時代女官朝服になります。

 

どのような衣装であったのかが気になる五常楽の衣装を見ていると以前に2010年の四天王寺ワッソinなにわの宮で撮影をして頂いた日本画家の中田文花先生がこの場に来られていました。

 

何を隠そう、中田文花先生は女人舞楽原笙会さんにも舞人として所属されていてこの時はメイクの担当で幸運にも担当をして頂いての奇跡の再会になりました。 本当に超が付くようなサプライズでの対応になりました。

 

 

最初にメイクがされる事に加えて友人と私との交互での衣装体験と撮影でしたので、衣装体験の着数が多い友人から先にメイクと着付けが開始されて行っての物になりました。 友人もこの時の体験後にFacebookやツイッター(2018年当時の呼称)で中田文花先生と繋がられる事になって時代衣装や仏教美術の趣味に関しての交流をされるようになりました。

 

衣装は五常楽では2着用意されて桜色と浅葱色のどちらを選ぶのかで友人が浅葱色の物を選ばれましたので私は桜色の物を選ぶ事にしました。 どちらの色の物も淡くて上品な色使いの衣装になっています。

 

 

五常楽の衣装の時代設定の面では袖の形を見る限りでは奈良時代の物とは思われますが、衣や上衣の丈の長さが飛鳥時代の時代衣装にも通じる所があるのかなと感じました。 髪の毛に付けられる簪も手作りで作られていますが精巧な物になっているのかなと思いました。

 

着付けは最初に小袖が着付けられて、その後、裙が着付けられてから衣と上衣を着ての物になっています。 撮影時にはこれに比礼が用意されましたが、着付けとしてはそれで完成形になります。

 

 

こちらの五常楽の衣装は舞楽で使用する衣装であると言う事で他の時代衣装には見られない設定になっていますが、良い意味で他所の店舗では体験出来ない物になっているのかなと言うのが感じさせられます。

 

衣装の時代設定が奈良時代の物であるのか靴もきちんと用意されていて刺繍の生地が使われた美しい物になっています。 奈良時代の女官の衣装もこのような形の靴が用意されますがこの点では衣裳に合わされた設定の物が出されていて高評価の物があります。

 

 

衣装が着付けられて鏡で仕上げられた姿を見たのですが、体型がぽっちゃりであると言う事で奈良時代の舞人と言うよりは力士に見えてしまったりもしています。 女人舞楽原笙会さんの所在地が兵庫県芦屋市であると言う事でその地元の力士である貴景勝の顔が浮かんで来たと言うのが私であったりもします。

 

そう言えば、女人舞楽原笙会さんで貴景勝の話題が出て来なかったのが今となっては不思議な位です。 こちらの記事を書いている2024年の現在であればすぐにでも思い浮かべるのですが2018年の当時では貴景勝が幕内力士になって間もない時期であった事と友人と一緒であった事も相撲の話題が出て来なかったのではと思っています。

 

 

原笙会オリジナル装束で有名な作品と言えば舞楽の青海波の装束や大人の体型でも着用が可能である胡蝶や迦陵頻の物ですが、これらの作品は衣装体験をする価値の高い物で京都の店舗にも殆ど見られない設定ですのでお勧めの物になります。

 

衣装の着付けが完成してからはスタッフの方と中田文花先生に案内されてのマンションの隣の部屋に行っての撮影をして頂く事になりました。 中田文花先生は手持ちのタブレットでも撮影をされたり文章を書かれていたりもしていましたが、私の時代衣装に対しても思い入れも色々と話に弾みが付きました。

メイクの設定

 

メイクも追加料金の設定になっていますが、複数の衣装を体験する場合は1回分のメイクの料金で対応されると言う事ですのでメイクが必要な衣装を体験される場合は複数の衣装を体験される方が割安の料金の設定になります。
 
メイクで使われる化粧品は装束専門店系の衣装体験で良く見られるような舞台用の物が使用されていて白塗りのメイクで仕上げられます。 白粉のメイクであると女人舞楽原笙会さんのウェブサイトでは紹介されていますが、下地のクリームを塗られてから頬の部分の下色のメイクがされてペースト状になっている白粉が塗られての物になっています。

 

 

メイクの顔の作りは中田文花先生にして頂く事になりました。 通常の場合では時代衣装に合わせての白塗りメイクがされる事になりますが、この時には奈良時代の当時のメイクを意識されてなのか唇の作りが特殊な描かれ方になっていて、アイメイクも奈良時代の当時を意識されての物が描かれ方になっていました。 髪型は樹下美人と呼ばれる地毛結いのウィッグでの髷の作られ方になっています。

 

奈良時代の場合もそうですが唐朝の時代の漢服の場合も本来ではそのような特殊な描かれ方の唇になると言う事を中田文花先生が話されていました。 女人舞楽原笙会さんではこの後に奈良時代の服飾や漢服が流行する事になりましたが、中国から時代衣装に絡めての書籍を輸入される方もおられたと言う事でした。

 

 

メイクが仕上げられると衣装が着付けられていきましたが、以前の訪問の時に私が自前で十二単を購入した話をしていたからであったのか中田文花先生もその事を知っておられたと言う事で私が時代衣装に関して強い関心を持っている人であると思われていました。 この時には大々的には活動していませんでしたが、漢服を着ての衣装撮影もしていたと言う事でこの点でも興味を持たれていたのかなと感じさせられました。

 

こちらの記事を再編集している2024年の現在では自前の十二単を自宅に置く事が難しくなったのでそれとは別に購入していた袿と単と白色の小袖と緋色の切袴以外の物は実家に置いている状態になっています。

小道具の設定

 

小道具として用意されたのは衣装の一部になっている比礼になります。 比礼は白色の物になっていますが、奈良時代系の時代行列では良く出て来る形式の物になっているのかなと思いました。

 

私自身で持参した小道具は柳花苑の衣装の時に使おうと思っていたさしはになりましたが、強いて言えば季節に合わせての造花の花束は持って来た方が方が良かったのかなと感じさせられました。 体験時期は5月でしたが、桜色の衣装に合わせるような感じで桜の枝の造花を持参していたら良かったと思いました。

 

 

五常楽が奈良時代の舞人の衣装ではありましたが、それに合うような小道具が何かあれば良かったかなと思うと少し惜しかったです。 舞人ですので弦楽器系の小道具では無いとは思いましたが、舞人らしく造花系の物があれば良かったかなと思っています。

 

こちらの学術施設の場合ではマンションの一室で運営されていると言う事で嵩張る小道具は場所的な面で厳しいですので、スーツケースに入る程度の嵩張らない小道具であるのなら持参しても良いのかなと言うのが感じさせられました。

自由撮影

 

着付けが完了すると靴が用意されて教室が入っているマンションの一室の隣の部屋の撮影用の設えが置かれている場所に案内される形になりました。 その場で構図の指導がされて撮影が開始していきました。

 

構図の指導の場でも中田文花先生に教えて頂いたり撮影をして頂いたりで至れり尽くせりの対応をして頂きました。 舞楽の衣装ですので基本的には舞の構図ですが立ちでの構図や跪いての構図等色々と指導をして頂く事になりました。 撮影は手持ちのデジカメで撮影をして頂く事になりましたが近年ではスマートフォンでの撮影にも対応されていると言う事でした。

 

 

舞楽衣装としての物ですので座りでの構図は少ないですが、それでもそのような構図を調べて頂いて撮影をして頂きました。 中田文花先生に直接的に会ったのは2回目でしたがこの時には色々と時代衣装での話をする事が出来てとても貴重な体験をする事が出来ました。

 

スタッフの方に話していると衣装体験の時に任意で2名のスタッフが選ばれるとの事でしたがこの時には幸運にも中田文花先生の担当になったと言う事で個々のスタッフの方の指名が出来るのかと言われるとそうでも無いので運の要素が大きいと言われました。

 

 

撮影の構図は立ちでの構図は舞楽を意識されての舞の構図が多く指導されましたが、それらの構図での撮影が一通り終わるとスタッフの方や中田文花先生と相談しながら他の構図を作っての撮影をさせて頂く事になりました。 この時には友人との訪問でしたので撮影時間としては15分程度の物でしたがそれでも濃密な時間を過ごす事が出来ました。

 

それにしても髪飾りや簪が女人舞楽原笙会さんの会員の方の手作りの物であるとは言え作りがしっかりとしていてこの点でも他所の店舗ではなかなか見られない作品になっているのではと思いました。 唐朝風の髪型の作りもしっかりとしていてこの点も良い物が体験出来ました。

まとめ

 

五常楽の衣装が女人舞楽原笙会さんでは体験料金の設定としては安い料金としての物でしたので実際にはどのような衣装が用意されるのかなと思っていましたが、想像していたよりもしっかりとした衣装でしたのでこの点では流石は舞楽の教室ならではの物に感じさせられました。 他所の店舗ではなかなか体験出来ないであろう衣装の一つになっているのかなと言うのがありました。

 

体験用の衣装は合繊の物で手作りの物になっていますが、公演用の正絹の衣装と比較しても遜色無い仕上がりになっています。 五常楽の衣装は浅葱色の物もありましたが、それも何らかの機会で体験してみたいと思いながらも近年になって遠方に出掛ける機会が少なくなりましたが、女人舞楽原笙会さんの場合は事前の予約と衣装の運搬費の追加料金で東京都内でも出張扱いで衣装体験をする事が出来ると言う事で何らかの機会ではその方法での衣装体験をしてみたいと思っています。

 

強いて言えば、2018年5月の当時よりも体型を絞っての再度の体験をしてみたいと思っていますがもう少し頑張れば体型的な面では良い方向になって来ますので後は時間とお金を作っての物になるのかなと感じさせられました。