変身体験の概要

体験日:2014年3月22日

時間:15時30分から16時

日本髪資料館紅先笄さんの太夫の変身体験の吉野髷プラン

体験料金:65000円(税込・吉野髷の地毛結い含める)

打掛追加料金:4000円(2枚・税込)

撮影料金:3000円(税込)

変身の内容について

嶋原の太夫を意識した太夫姿で、髪型は地毛結いの吉野髷。

実際に衣装を着付けられて

2014年3月22日、日本髪資料館紅先笄さんでの3枚目の打掛での変身体験になります。 縹色の地色の打掛での変身体験が終わるとその打掛が脱がされていって、紺色の地色に織り文様が施されている打掛が着付けられました。

 

紺色の打掛も武家の奥方の打掛で見られるような感じのただ渋い紺色の打掛と言う訳では無く赤色や緑色の花の文様が施されていたりその空間に鶴が舞っている文様が施されていたりで上品な派手さのある打掛になっています。

 

どの打掛を見ても良くある花嫁衣装の打掛とは比べ物にならない位の贅沢な織り柄や刺繍柄が入っていて実際に結婚式を挙げる時になる以前に贅沢な衣装を着る機会で満たされてしまうのかなと感じてしまいました。

 

 

衣装としての打掛は2枚追加しました。 手持ちのデジカメでの撮影も希望しましたのでその分の追加料金も払う事になりました。 この時の打掛はそのうちの3枚目で縹色の地色に織り文様や刺繍が施されている打掛になりますが、紺色の打掛であるのか婚礼衣装の打掛とはまた違った雰囲気の雰囲気の打掛になっています。

 

現代花魁や創作花魁の変身体験の店舗で良く見られるような花嫁衣装で使われていた打掛がそのまま使われていると言う事では無く、袖振りの短い打掛で太夫の衣装としての打掛として最初から作られている物であると言う事を強く感じました。 衣装の作りとしてはしっかりしているのかなと思いました。

 

 

打掛は2枚追加していますが、3枚目の打掛であると言う事で紺色の打掛を着付けて頂く事になりました。 紺色の打掛は織り文様と刺繍の文様が華やかな物になっていて、金糸が使われていたりしていますが、地色を生かしての柄になっていて、紺色の地色に梅の柄や鶴の柄が織り込まれた打掛になっています。 梅柄は赤色と緑色の物が織り込まれていますが意外にも緑色の梅が打掛に映えている所があるのかなと思いました。

 

紺色の打掛は日本髪資料館紅先笄さんの打掛では数少ないですが、日本髪資料館紅先笄さんの打掛で良く使われている物とは違った雰囲気が出ていてこの点では着映えのする物になっています。 紺色の打掛と似ている色の物はありますが、他は先程まで来ていた縹色であったりと言う感じで微妙に違う色の物になっています。

 

 

縹色の打掛が着付けられた時点の時に簪が替えられましたがこの時の紺色の打掛でもその時と同じ設定の簪が使われました。 頭頂部の勝山と呼ばれる飾りを付けて頂いていますが、太夫の変身体験ではやはりこちらの勝山の飾りが派手に付けられている物の印象を持っていたのかなと思いました。

 

舞妓の変身体験でも勝山と言う名前の髪型が存在していて、簪も豪華な物が使われますが、太夫の髪型に合わせる勝山は大きさがあるだけに実際に頭に挿されるとかなりの重量感のある物になっていました。 髷自体は重さは無いのですが、簪の重さがしっかりとしていてこの点が舞妓の変身体験の髪型とは違っているのかなと言う印象があります。

 

 

簪は太夫の設定であると言う事で平打ちと呼ばれる簪が挿されて、他にも複数の簪が挿されての完成になります。 店舗によっては太夫の変身体験の店舗でも耳かきを大きくしたような芳丁と呼ばれる簪が挿される所もありますが、この点では本職の太夫を意識されてなのか簪の仕様は平打ちになっていました。
 
後年になって太夫にも舞妓と同じように季節の花簪を挿す事を知りましたが、こちらの店舗の場合は全ての月設定の簪が店舗では用意されていました。 3月の月設定の簪は菜の花になりますが、後年になって写真を見て確認をしているとの菜の花の簪がきちんと挿されていました。 太夫の簪は舞妓の簪のように目立つ物ではありませんが、見ていると可愛いながらも上品な物になっていてこの点は舞妓も太夫も共通している物があるのかなと思いました。

 

 

今回の着付けに絡めての動作は打掛を着替える事のみですので、縹色の打掛が脱がされて、その場で紺色の打掛が着付けられる形になりました。 太夫や花魁の変身体験の場合は打掛を変えるだけでも変わり映えするのでこの点では効率良く複数の変身体験が出来るのかなと思いました。

 

元々着ていた打掛を脱いでから中着や帯は整えられて再度別の打掛が着付けられるだけですので、実際に着付けられる時間としては5分掛かるかどうかでしょうか。 打掛が着付けられてからは衣紋が整えられると完成になります。 打掛を運ぶ動作は石原先生のお弟子様が2人掛かりで着付けられた物でしたが手際良く着付けて頂けます。

 

 

打掛が着付けられて行って、簪と衣紋が整えられると完成になります。 簪を挿して行くと髪型の重量が増えて行きますが、流石は地毛結いであるのか髷であっても固形感がしていない状態でかつらではない物と言うのが感じさせられました。 私の場合は現代花魁や創作花魁よりもこのような感じの太夫や古式花魁の方が好みで衣装の重厚さがまた嬉しい物になっています。

 

平安装束の衣装体験の時にも通じますがこう言った衣装体験や変身体験の時に着付けられる衣装は重量感を感じさせられない所が出て来ます。 実際には頭や衣装が重いのですが特に重量感や締め付けの面では気にならないと言いますかそのような感じになって来ます。

メイクの設定

 

吉野髷という意味では全かつらで言えば時代やさんの吉野太夫プランの髪形が有名ですが、地毛結いで本式の物ともなると後にも先にもこちらの店舗のみであった記憶があります。 略式の物として対応されている店舗もありますが、やはり本職の舞妓や太夫の髪型を結われている結髪師の方がおられる店舗と言う事では価値の高い物になっています。
 
メイクが終わってからは結髪の作業が開始になってその時に石原先生が来られて結い上げて頂きましたが、伝説の結髪師と言うだけあって癖のある私の髪の毛でも手際良く結い上げて頂きました。 結髪と言っても15分程度の時間で結い上げられて行くのですが、作業の1行程を見ていても芸術品と感じさせられる物になっています。

 

 

メイクは白塗り系の物ですが、こちらの店舗の白塗りの白粉はしっとりとした濃厚な感じの物であると言う印象を感じました。 簪も本職の太夫と同じ仕様と言う事だけあって本当に貴重な物を使って下さりました。 簪が挿されていきましたが1本の簪が挿されるごとに頭の重さが増して行っていると言うような感覚が伝わってまいりました。

 

店舗によっては対面式のメイクがされる所もありですが、日本髪資料館紅先笄さんの場合は鏡に写っている状態でメイクが仕上げられて行くのが実際に見えて来る形式になっています。 この点ではメイクの方法の好みが出て来るのかなと思いました

 

 

日本髪資料館紅先笄さんの白塗りはしっかりと塗られていて、汗が出ても崩れにくい物になっていると言いますかそのような感じでしょうか。 水で溶かれた白粉が粘り気のある物で同じような物は他店でもありますが、白粉の質感の好みに関しては個人差が出て来る感じでしょうか。 私はこれ位にしっかりとした白粉の質感の方が好みです。

 

芸舞妓と太夫の違いでメイクの派手さ、特に言えば目紅の派手さが異なりますが、上品で優し気な太夫に仕上げて頂けます。 可愛いと言うよりは上品で本職の太夫を出来る限り再現したメイクになっています。

小道具の設定

 

この時は撮影用の小道具としては舞扇や書物が用意されました。 太夫が教養人であると言う事で書物に目を通している場面や太夫の舞の場面を想定しての構図を決めての撮影がされました。

 

太夫の舞の場面を設定した写真が構図を指導して頂いて撮影されてからは3月に訪問したと言う事で背景の設えに置かれていた雛人形を小道具として使っている写真も撮影して頂きました。 他には前回の記事で紹介したようなお屠蘇の道具や茶道具と言った物もありますが、撮影用の小道具と言う意味では充実した内容で本物の太夫の方が使われている道具類が再現されているのかなと思いました。

 

 

個人的には雛人形が可愛かったです。 雛人形は木目込み人形の物になっているようでしたが、この点でも一般の方とは見ている物が違うのか女雛の髪型が垂髪になっていたり、衣装として着られている袿がきちんとした着付けになっていたりで良く見ておられるのかなと思いました。

 

打掛が2枚追加であると言う事で色々な構図を3枚の打掛での衣装体験に振り分ける為に小道具の配分も適度にしていますが、立ちでの構図の時には舞扇を使っての太夫の舞を意識された構図を指導して頂きました。 小道具の設定の豊富さでは流石は京都品質の物であるのかなと感じさせられる物になりました。

自由撮影

 

撮影は手持ちのデジカメで石原先生のお弟子様の方に構図を指導して頂いてから撮影が適度に進んでいきましたが完璧なまでに構図の指導をして下さります。 舞扇を持っての太夫の舞の構図や雛人形を愛でている構図と言った感じで色々と撮影をして頂きました。

 

手持ちのデジカメでの撮影は30分に付き3000円の追加料金が掛かりますが、その追加料金を出すだけの価値のある内容になっていました。 強いて言えば手持ちのデジカメでの撮影をもう30分追加して写真の枚数を多くして頂いたら良かったのかなと感じさせられるような内容になりました。 こちらの記事を再編集している2024年3月の現在の考えであれば追加料金を払ってでも撮れ高を増やす事を考えていた内容になります。

 

 

通常、変身体験の場では同じ構図での取り直しがされる事もあるのですが、同じ構図が重ならない位に色々な構図を提案して頂けました。 前回の記事に登場したようなお茶席の構図は他所の店舗に訪問した場合は茶道具を小道具として丸々持参しなければならないだけに撮影する事は難しいですが、そう言った物が全て置かれていた所が太夫の変身体験の写真の構図でお茶席の場面の設定が存在していると言うのを感じさせられた形でしょうか。 舞妓の変身体験の時でもそのようなお茶席の構図の設定があったのかは分かりませんが小道具の面ではきちんとされている店舗であったのかなと言う印象がありました。

 

撮影をして頂いていると打掛の重厚さが伝わって来ますが、婚礼写真の打掛ではないにしても状態の良い物になっています。 この点は1日当たりのお客様を制限しての物であると言う事で衣装のメンテナンスも行き渡っていると言う感じでしょうか。

 

 

手持ちのデジカメでの撮影時間を30分のみしか依頼していなかったので、撮影をして頂く枚数が控えめではありましたが、趣きのある構図の写真を手元に残す事が出来てこの時には予定を調整してでも変身体験をして良かったと思わせられました。 衣装の品質は本当に良い物で、流石は本式の太夫の変身体験をされている店舗であると言う事でこの点は凄いと感じさせられました。

 

通常は1つの構図の撮影する角度を変えての物が多いのですが、こちらの店舗の場合ではたくさんの構図を指導して頂いてその都度撮影がされると言う事でとても贅沢な時間を過ごせました。 2014年1月の交通事故の骨折から治ったすぐの状態での撮影で左手首の関節に無理の掛かる構図の撮影もしましたがその写真も今となっては思い出になります。

まとめ

 

2014年3月22日に訪問した日本髪資料館紅先笄さんでの太夫の変身体験でしたが、流石は伝説の結髪師の先生である石原先生が運営されている店舗であると言う事で至福の時間を過ごす事が出来ました。 打掛の追加料金が掛かりますが、打掛を追加するとさらに撮影枚数が増えると言う事打掛を増やして大正解の内容になっています。

 

打掛の枚数としては3枚あって、変身体験の着数としては3着分の内容になりましたが、3着目の変身体験での撮影も本当に私自身が太夫になったような気分を味わう事が出来て思い出に残る写真が多く手元に残る事になりました。

 

こちらの紺色の地色の打掛での変身体験が終了すると、座敷の設えが片付けられて、壁紙が下りて来て三枚歯の下駄が用意されて太夫の道中の場面を石原先生のお弟子様の指導の下で体験させて頂きました。 三枚歯の下駄は本職の仕様そのままであるのかかなりの高さがあって本職の太夫の方は平衡感覚を常に鍛えておられるのかなと強く感じさせられました。
 
3枚分の打掛を着ての変身体験が終わると衣装が脱がされて下着姿になってから、髪の毛が洗い流されていきました。 髪の毛を洗い流して下さるのは石原先生のお弟子様になるのですが、特殊なシャンプーが使われたのかしっかり付けられていた鬢付け油も綺麗に落ちて最後にドライヤーで整えられていって終了になります。 その後は前回の記事で書いた通りに6切りサイズの台紙入りの写真としての写真を決めるのでありました。
 
3枚分の打掛での変身体験に加えて、最後の最後に太夫の道中の場面も再現させて頂けただけに結髪の料金と打掛の料金と手持ちのデジカメでの撮影の料金と合わせて72000円と出費は凄かったのですがとても思い出の残る変身体験になりました。 この時は13時から16時までと言う感じで楽しませて頂きましたが、折角の機会でしたので十分に楽しむ事が出来て良かったです。
 
この体験から約1年後でしょうか、日本髪資料館紅先笄さんが閉店されたので最初で最後の訪問となってしまいましたが、強いて言えば舞妓の変身体験で先笄の髪形を石原先生に結って頂きたかったという気持ちは心の片隅にありました。